国立社会保障・人口問題研究所は、令和4(2022)年7月に実施した「生活と支え合いに関する調査」の結果の概要をとりまとめました。(公表日:2023年8月22日)
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調査の概要
生活と支え合いに関する調査は、人々の生活、家族関係と社会経済状態および相対的剥奪*の実態、社会保障給付などの公的な給付と、社会ネットワークなどの私的な支援とが果たしている機能を把握する目的で実施されており、世帯票と個人票から構成されます。
*「相対的剥奪」とは、主として社会学上の用語であり、人々が社会で通常手にいれることのできると考えられる栄養、衣服、住宅、居住設備、就労、環境面や地理的な条件についての物的な要素を欠いていたり、一般に経験すると考えられる雇用、職業、教育、レクリエーション、家族での活動,社会活動や社会関係に参加できないことをいいます。
調査対象
全国の世帯主および世帯員を対象とし、令和4年国民生活基礎調査で設定された調査地区内より無作為に抽出した300調査地区内のすべての世帯の世帯主および18歳以上の世帯員(世帯主の方は、国民生活基礎調査と生活と支え合いに関する調査の両方の調査の対象者となる)
調査時期
令和4(2022)年7月(7月1日時点の事実を調査)
調査方法
配票自計:調査票紙回答、オンライン回答を調査対象者が選択
密封回収方式(オンライン回答以外):調査員回収または郵送
調査数
世帯票:配布調査票16,719票 有効票数 8,473票(有効回収率50.7 %)
個人票:配布調査票 27,233票 有効票数 15,929票(有効回収率58.5%)
主な集計結果
世帯の経済的な状況
過去1年間に、必要な食料が買えなかった経験のある世帯は11.1%(前回調査13.6%)、衣服では12.1%(同15.0%)といずれも前回より減少。
電気料金、ガス料金、電話料金、家賃、住宅ローン等の未払いや滞納のあった世帯の割合は前回調査に比べ低下した。
ひとり親世帯では、食料が買えない経験をした割合が20.8%、衣料が18.8%と高い。
世帯の住まいの状況
病院、公共施設、買い物・生活施設が遠い」と回答した世帯は19.1%。「世帯の人数からすると手狭」と回答した世帯は、全世帯では9.6%であるが、子どものいる世帯では21.7%。
子どもの教育費の負担
18歳未満の子どもがいる世帯のうち、子どもの教育費の支出の負担が「とても重い/やや重い」と回答した世帯は全体の63.9%。
人と人、社会とのつながりの状況
ふだんの会話頻度が「2週間に1回以下」の個人は3.0%(前回調査2.2%)。世帯タイプ別では、ひとり暮らしの高齢者の男性が15.0%(同14.8%)、女性が5.3%(同5.4%)。
孤独感を「常に・しばしば感じる」「時々感じる」個人の割合は全体で16.0%。
調査期日前の一週間に「外出していない」者の割合は6.5%。高齢者でその割合は高く70歳代で7.4%、80歳以上で17.7%。また、18歳以上の障害者手帳保有者では16.6%。
医療機関受診の状況
過去1年間に医療機関受診が必要であったのに行かなかった者の割合は5.2%(前回調査3.3%)。
手助けの状況
「手助けや支援を必要としている人が近所に住んでいるかは知らない」と回答した人は75.4%(男性76.2%、女性74.8%)。
人生の終わりに向けた活動の状況
自身の死や死後の準備をしたり、考えたりしているとした個人(40歳以上)の割合は、自分の葬儀や墓のこと:46.5%、人生の最終段階で受けたい医療:32.0%。そのうち、これらのことを家族や友人などと共有している個人の割合は、自分の葬儀や墓のこと:50.2%など半数程度。
看取り経験(死亡前の1年くらいの間に、食事、見守り、介護・看護、生活支援をおこなった経験)のある個人(40歳以上)の割合は41.0%(男性37.8%、女性43.0%)
調査結果の公表資料
『結果の概要』掲載グラフの数値データ(CSV形式ファイル)はこちら
『2022年生活と支え合いに関する調査』の結果表(Excelファイル)はこちら
参考資料
※本調査の結果を引用される際は、出典を明記してご利用ください。
本調査の内容を利用された場合、その掲載誌などを下記宛てに一部ご送付いただければ幸いです。
〒100-0011 東京都千代田区内幸町2−2−3 日比谷国際ビル6階
国立社会保障・人口問題研究所 社会保障応用分析研究部
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