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国立社会保障・人口問題研究所

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第U部 夫婦調査の結果概要:第3章 妊娠・出産をめぐる状況

<U-2. 夫婦の出生力 U-4. 子育ての状況>



U-3.妊娠・出産をめぐる状況
1.避妊

夫婦による避妊の現在実行率は39.8%
 出生動向基本調査では、10年ごとに夫婦の避妊の実行状況についてたずねている。今回の調査時点における避妊の実行状況をみると(図表U-3-1)、夫婦の39.8%が避妊を実行中であり、これに以前実行した経験のある28.4%を加えると、妻の約7 割が避妊を経験したことになる。総数でみた現在実行率は第7回(1977年)調査以降で最も低い。また、追加出生予定の有無別に避妊の実行状況をみると(図表U-3-2)、追加出生予定がない場合は、ある場合よりも避妊実行率は高いが、いずれの集計においても実行率は過去調査と比較して最も低い。この背景には、晩婚化により高年齢で妊娠を希望する夫婦が増え、すぐにでも子どもが欲しいことから避妊実行率低くなっている面があると考えられる。しかし、追加出生予定がない夫婦においても避妊の現在実行率が大きく減少しており、セックスレスが広がっている可能性もある。

図表U-3-1 妻の年齢別にみた、避妊の実行状況:第15回調査(2015年)


図表U-3-2 妻の年齢・追加出生予定別にみた、避妊の実行状況:第15回調査(2015年)


避妊方法の主流は依然としてコンドーム
 避妊実行中の夫婦の避妊方法別割合をみると、コンド−ムが77.4%と圧倒的に高く、次いで性交中絶法(17.7%)となっている。ピル(経口避妊薬)の利用は2.3%で前回(第13回(2005年))よりも微増しているが、その他の方法はコンドームを除き低下傾向がみられる。

図表U-3-3 妻の年齢別にみた、現在実行している避妊方法:第15回調査(2015年)

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2.不妊についての心配と治療経験

不妊を心配したことのある夫婦は3組に1組を超え、子どものいない夫婦では55.2%にのぼる
 不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は、35.0%と前回(31.1%)よりも増加した。子どものいない夫婦ではこの割合は55.2%(前回52.2%)にのぼる。実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体で18.2%(同16.4%)、子どものいない夫婦では28.2%(同28.6%)であった。

図表U-3-4 子どもの有無・妻の年齢別にみた、不妊についての心配と治療経験:第15回調査(2015年)


不妊の心配経験や治療経験は増加傾向
 結婚15〜19年の夫婦の29.3%が不妊を心配した経験があり、15.6%が検査や治療の経験がある。いずれの結婚持続期間でも、過去の調査にくらべて、不妊の検査や治療経験のある夫婦の割合が上昇傾向にある。

図表U-3-5 調査・結婚持続期間別にみた、不妊について心配したことのある夫婦の割合と治療経験

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3.流死産の経験

15%の夫婦が過去に流死産を経験
 流死産を経験したことのある夫婦の割合は全体で15.3%であった。その中で流死産を2回以上経験している夫婦は全体の3.0%となっている。

図表U-3-6 調査・結婚持続期間別にみた、流死産経験のある夫婦割合および 流死産を2回以上経験している夫婦割合


<U-2. 夫婦の出生力 U-4. 子育ての状況>