インドの型破りな人口変化とその影響
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National Institute of Population and Social Security Research
国立社会保障・人口問題研究所 特別講演会
下記の要領で国立社会保障・人口問題研究所の特別講演会を開催いたしました。
日時 : 2022年4月11日(月)18:30 ~
方法 : zoomによるオンライン、日英同時通訳
講演者: K.S. ジェームス (インド国際人口研究所IIPS所長・教授)
題目 :「インドの型破りな人口変化とその影響」
ご講演の概要
インドが近年深刻な人口の変化を経験していることは今では広く受け入れられています。インドの出生率は2019年に置き換え水準に達しました。 同時に、その急速な変化の理由は依然として不明です。他の多くの国の経験とは異なり、インドの出生力変動は型破りであり、独特です。 社会経済的変化と出生力パターンの関係は曖昧で、人口変動を引き起こしたように見える力は、他の国の経験と異なります。さらにその変化は 州によって異なっており、国内の非均一性につながっています。その結果、インドの出生転換の意味合いは通常とは異なることになります。
間違いなく、インドの最近の出生力の変化は、人口の年齢分布も変化させており、現在では人口の大部分が労働年齢層になっています。 したがって、インドの人口ボーナスのポテンシャルは十分に認識されています。人口ボーナスは、インドをより高い経済水準へと導いてくれるという 楽観的な見方が圧倒的です。しかし、同時に、いくつかの制約により、人口ボーナスを活用する国の能力を疑う悲観論者も存在します。 しかし、これらの制約については、詳細な検討が必要です。
本講演では、インドの人口変化の実態に焦点を当て、その特異性を明らかにします。また、人口変化における地域の異質性とその影響についても議論します。 さらに、人口ボーナスの観点からの出生力の変化がどのように人口ボーナスをもたらすのか、人口ボーナスをうまく生かすための国の能力についても議論します。
※本講演会は、アジア人口学会(Asian Population Association)の共催を得て行われました。