3.仮定の解説
(5) 将来推計人口の描く日本人のライフコース
ここまで将来推計人口の前提となる人口動態事象(出生、死亡、国際人口移動)の仮定についてそれぞれの見方のポイントを個別に解説してきた。それらの仮定設定の組み合わせによって将来の人口規模や性・年齢構造が決まり、人口減少や人口高齢化といった変動の様相を把握することができる。
こうした情報を基にして、一国の社会経済システムがどのような成り立ちでなければならないのか、何をしていかなくてはならないのかについて議論することができる。
しかし一方で、人口には人口減少や人口高齢化などマクロ変化だけでは描ききれない将来の姿が含まれている。それはわれわれ国民一人ひとりの生活やライフコースの姿である。
ここではわが国の将来推計人口、平成18年12月推計の仮定設定を基に、将来の日本人のライフコースの姿を描いてみよう。ただし、推計の出生仮定が女性に限定されることから、ここでは女性のみに限定し、また出生中位・死亡中位仮定のみについてみることにする。
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