3.仮定の解説
(3) 国際人口移動の仮定とその効果
3)国籍異動の動向
総人口中の日本人人口と外国人人口は、国籍異動によっても変化する。国籍異動は、外国国籍から日本国籍への異動(帰化)、日本国籍からの離脱、および日本国籍の喪失の3種類がある。
日本国籍からの離脱および喪失の合計は年間7,000人程度(最近5年間)であるに対し、外国国籍から日本国籍への異動は近年その倍以上の数がある。
帰化許可者数の年次推移をみると、1980年代まではほぼ年間6,000〜8,000人程度であったが、1990年代前半に急増し、最近では1万5,000人程度になっている(図3-13)。
帰化許可者の国籍をみると1965年には韓国・朝鮮籍が全体の8割を占めていたが、このシェアは穏やかに減少し、最近では6割程度になっている。
それに対し、中国籍は1965年に1割であったが2006年に3割となっている。韓国・朝鮮籍と中国籍を合わせると依然として、帰化者の9割を占めている。
推計における仮定設定では、男女年齢別に外国人人口に対する日本人への国籍異動率を与えているが、その元となった男女年齢別帰化(国籍取得)率を図3-14に示す(注1)。
男女でほぼ同じ年齢パターンを示しており、18歳前後で最も多くなった後、20歳代前半に急減を示し、40歳代で再び高率となる二峰性のカーブを描く。
(注1) 総務省統計局『人口推計年報』による。
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