3.仮定の解説
(3) 国際人口移動の仮定とその効果
1)外国人の出入国の状況
外国人の入国超過 注)は、1980年代後半に急増し、90年代初頭には年間25万人を超える水準にまで達したが、90年代半ばにかけて急減し、その後変動しながらも2000年に向けて回復をみせた(図3-7)。その後の5年間は、10万人前後で推移しているが、やや減少傾向にあるともみられる。
相手国の大陸別にみると、入国超過のほとんどはアジア地域によって占められている(図3-8)。南アメリカからの入国超過の動向は1980年代後半から大きく変動している。
入国超過数の多いアジア地域の国別の状況には、中国、韓国、フィリピン、タイの4ヵ国が大きく影響していることがわかる(図3-9)。
注) 法務省『出入国管理統計』によるもので、短期滞在者も全て含んだ人員である。
次に、主要な国について男女別に傾向をみると(図3-10)、南アメリカ(ほとんどがブラジルとみられる)は、1991年に突出しているが、このとき男性の方が女性より1万人ほど多かった。また、フィリピンからの入国超過の推移をみると女性で1995年と2005年の2ヵ年のみマイナス(出国超過)という特異な動きを示すが、同国の男性にはそのような傾向はみられない。
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