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国立社会保障・人口問題研究所

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研究所の紹介

社会保障・人口問題基本調査(一般統計)
■ 社会保障・人口問題基本調査(一般統計)
 国立社会保障・人口問題研究所は、5つの全国規模の実地調査(社会保障・人口問題基本調査)を実施しており、 それぞれの調査結果は、国・地方公共団体の政策立案の基礎資料とされるほか、各方面から幅広く活用されています。
実地調査 ①:出生動向基本調査

 出生動向基本調査は、国内の結婚、出産、子育ての現状と課題を調べるために、ほぼ5 年ごとに実施している全国標本調査です。 夫婦の方への調査と、独身の方への調査を同時に実施しています。今日の日本では少子化が進行し、これに伴う人口減少と高齢化、そして人々の生き方の変化は、今後の日本社会に大きな影響を与えるものです。 この少子化の現状を把握し原因を解明することは、本調査の大切なテーマの一つです。本調査では、独身者の結婚意欲やライフスタイル、夫婦の出生意欲や出生行動の実態、就業・子育て環境等を尋ね、 調査回や属性別に比較することで時代変化や新たな課題の提示を行ってきました。

 本調査の結果は、日本の将来人口推計において、出生率の将来見通しを設定する際の基礎資料となっています。また、こども大綱、男女共同参画基本計画等における政策目標の評価に利用されているほか、 厚生労働白書、こども白書、男女共同参画白書等の政府刊行物や各種審議会資料、メディア等において少子化の現状や課題を示す資料として幅広く活用されています。

■ 第 1子出生年別にみた、出生前後の妻の就業変化
Changes in employment status of wives before and after
          childbirth, by birth year of the fi rst child
 第1 子出生年別にみた出生前後の妻の就業状況をみると、 出産の前後とも就業している妻の割合は近年上昇しており、2015 ~ 19 年に53.8%となりました。 特に、育児休業制度を利用して出産後も就業を継続する妻の割合が大きく伸びています。 出産前に就業していた妻に限ると、就業を継続した者の割合は69.5%となりました。
■ 調査別にみた、夫婦の理想・予定子ども数と未婚男女の希 望子ども数の変化
Changes in the ideal, intended and desired number of
          children (average), by survey
   注:夫婦は妻の年齢50 歳未満、未婚者は18~34 歳。
 夫婦の理想・予定子ども数と未婚男女の希望子ども数の推移をみると、 夫婦の理想・予定子ども数、未婚男女の希望子ども数とも、1980 年代以降、全体として平均値が低下傾向にあります。 特に未婚男女の希望子ども数は、平均で2人を下回る水準になっています。
実地調査②:全国家庭動向調査
人口の少子化や高齢化の進行とともに共働き家庭や単身世帯の増加など、日本の家族はその姿を変えつつあり、家庭の機能も大きく変化しています。 全国家庭動向調査は、出産・子育て、老親扶養・介護といった家庭機能の現状と変化、その要因などを把握することを目的とした調査です。家族・家庭に関する総合的な調査として貴重な結果が得られ、各種政策立案の基礎資料として活用されています。
■ 調査回別にみた、性別役割についての賛否の割合の推移(%)
ここ15 年で性別役割に関する考え方が変化してきています。また、特に家事や育児に対して平等な分担が支持されていることが明らかとなっています。
調査回別にみた、性別役割についての賛否の割合の推移(%)
実地調査③:生活と支え合いに関する調査
 日本社会は稀にみる速さで少子高齢化と家族構造の変化が進展しており、社会保障制度の持続可能性を担保するためには、人々の自助・共助・公助の相互関係に着目して、継続的改革を進めていくことが必要です。 本調査は、人々の生活困難の状況や、家族や地域の人々との間の支え合いの実態を把握することを目的とした全国調査です。調査結果はこども大綱や令和6年版こども白書における指標などにも活用されています。
■ いざという時のお金の援助で頼れる人が「いない」と回答した者の割合(%;18 歳以上)
2017 年調査においては、ひとり親世帯、低所得で子どもがある世帯において高くなっていました。 2022 年調査ではひとり親世帯、低所得で子どもがある世帯においては、「いない」と回答した者の割合が低下しましたが、全サンプルではわずかに上昇していました。 (ここでは低所得は等価可処分所得第Ⅰ~Ⅲ十分位の世帯であることを指します。)
Ratio (%) who responded that their living standard is 
          “Harsh” or “Very Harsh,” by sex, age and work status
■ 世帯タイプ別会話頻度(%;65 歳以上)
65 歳以上の高齢者のうち、単独世帯ないしは夫婦ともに高齢世帯の者に焦点を当てて、家族やその他の人との会話頻度を比較したところ、 会話の頻度は世帯タイプ別に見ても、毎日が最も多くなっています。しかしながら、男性の単独高齢世帯においては会話頻度が 2 週間に1 回以下である者が15.0% と単独高齢世帯の女性や、 夫婦ともに高齢世帯の者よりも高くなっています(2022 年調査)。
Frequency of Conversation: by Household (hh) type 
      (Persons aged 65 and above)

実地調査 ④:人口移動調査

 人口移動調査は、日本の人口移動の動向と背景を明らかにし、 将来の人口移動の傾向を見通すための基礎データを得ることを目的とした全国標本調査です。 他の公的統計では把握できない、ライフイベント時(出生、就学、就職、結婚等)の居住地、 現住地への移動理由や将来の移動の見通しなどの人口移動についての詳細なデータを得ることができ、 その調査結果は地域別将来人口推計の精緻化や地域の活性化関連施策等の検討のための基礎資料として活用されています。

 2023年7月に実施した第9回調査では、これまで低下傾向にあった移動者の割合が、 コロナ禍による影響もありやや増加していることがわかりました。コロナ禍による引っ越しへの影響があったと回答した人の割合は全体の0.9%で、 その内訳をみると、「予定はなかったが引っ越した」と回答した人の割合が比較的高いという結果になりました。 また、全体の5.1% が「複数の生活拠点」を持っていることなどもわかりました。

■ 出生都道府県から県外に移動したのち、再び出生都道府県に戻った人の割合(第9回調査、2023 年)
出生都道府県から県外に移動したのち、
          再び出生都道府県に戻った人の割合
          (第9 回調査、2023 年)
実地調査 ⑤:世帯動態調査
 人口に続いて世帯数もやがて減少局面に入る一方、単独世帯や夫婦のみの世帯、ひとり親と子の世帯の増加など、世帯から見た日本の姿は大きな変化の途上にあります。 世帯動態調査は、日本の世帯構造の動向と変化を把握するため、世帯の形成・拡大・縮小・解体の実態を明らかにすることを目的とした調査です。 このような世帯の変動を直接的にとらえる調査は他に類を見ないもので、調査結果は、世帯数の将来推計や各種政策立案の基礎資料として活用されています。
■ 世帯主の年齢別,エンプティ・ネスト(※)となった世帯の割合
Percentage of empty nest(*) households by age of the head of the household


左図は、各回調査実施までの5 年間にエンプティ・ネストとなった世帯の割合を世帯主の年齢別にみたものです。 調査回によるばらつきはありますが、エンプティ・ネストが50 歳代後半から60 歳代の世帯を中心に発生していることがわかります。
(※)エンプティ・ネストとは子どもが就職や結婚などによって離家した後,親夫婦のみとなった世帯のことです。