3.子どもに関する規範意識

  • 自分たちのことよりも子どものことを最優先にすると考える者がほぼ8割
     「夫や妻は、自分たちのことを多少犠牲にしても、子どものことを優先すべきだ」という規範に対しては、1回目調査でも全体の7割以上の妻が支持していたが、今回さらにその傾向が強まり8割近くが賛成している。この支持の高さは、妻の年齢、末子の年齢、就業状態の差異にかかわらずほぼ共通しているが、特に末子の年齢を反映しており、末子の年齢が6歳未満と低いほど「賛成」が多いという結果になっている。また、注目すべき点は、子どものいない妻でさえ、今回も7割近くが「賛成」していることである。
表30 属性別「夫や妻は、自分たちのことを多少犠牲にしても、子どものことを最優先すべきだ」への賛否
属性別「夫や妻は、自分たちのことを多少犠牲にしても、子どものことを最優先すべきだ」への賛否


  • 乳幼児期における母親の育児専念は、圧倒的な支持
     第1回調査でとりあげた家族規範の中でもっとも高い支持を受けたのが、「子どもが小さいうちは、母親は仕事を持たず育児に専念した方がよい」という規範である。今回、「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たず育児に専念した方がよい」と微調整した設問でも、9割以上もの妻が支持しており、しかも「まったく賛成」だけで過半数を占めているが、これは他とは異なる特徴である。今回も設問中最大の支持を受けている。どの世代も、おしなべて肯定派が多数を占めているが、「まったく賛成」の内容をみると、40歳代以上の妻でその傾向が一層強いことが判る。

     就業行動は、直接、出産、子育ての影響を受けるが、妻の就業の有無、あるいは雇用形態によってどのような差があるのか、妻の従業上地位別にみている。これによれば、有職の妻では、いずれも専業主婦の93%には及ばず、フルタイムで働く妻が最も低い支持であるが、それでも8割が肯定派であり、働く妻の場合でも、子育てに専念できればそうしたい、は圧倒的な支持を得ている。
表31 妻の年齢、就業形態別「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念した方がよい」への賛否
妻の年齢、就業形態別「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念した方がよい」への賛否



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