2.夫婦の裁量権

  • 家庭内の裁量権は実質妻が持つ場合が多く、夫が寄与する割合は小さい
図20 夫婦における裁量権の所在
夫婦における裁量権の所在


     夫婦の間での決定の様子についてみてみると、二人一緒でと答えたのが高かった事項は、高価なものの購入(48.6%)と親や親族とのつきあい(52.6%)、育児や子どもの教育(43.0%)である。夫の決定権が総体的に高かったのは、高価なものの購入(39.8%)のみである。妻に決定権が集中しているのは家計についてであって、7割近くが妻の裁量によってきりもりされている状況が明らかになった。親族のつきあいについても、半数が夫婦一緒に決めると答えてはいるものの、35%の者は妻が決めると答えている。子どもの教育についても、妻によって決められるとしたものが半数以上おり、夫の存在は極めて低い(夫が決めるとしたものは3%程度)。
表19 親との同別居関係別夫婦間の勢力関係
親との同別居関係別夫婦間の勢力関係


     これらの夫婦間の決定権と親との同別居状況との関係をみてみると、妻の親と同居をしているか、夫の親と同居しているか、別居かによって、夫婦間の勢力関係が異なっている。例えば、家計の分配や管理・運営についてみてみると、妻の親と同居している場合、夫に決定権があるとした者は7.8%にすぎないが、夫の親と同居している場合には16.3%と夫の決定する割合が高くなる。逆に妻についてみると、妻の親と同居した者の77%が妻に決定権があるとしているが、夫の親と同居している場合にはその値が64.8%に減る。しかしながら、子どもの教育については、どちらの親と同居しようとも妻の裁量の程度が高いことが明らかになった。



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