5.夫婦間のコミュニケーション



1.夫婦間のコミュニケーション

  • 20歳、30歳代の妻は夫婦一緒の時間を多く持ちたいと考え、40歳代上の妻では夫婦それぞれの時間を大切にしたいと考える割合が高くなる
図18 夫婦のコミュニケーションのあり方
夫婦のコミュニケーションのあり方


     夫婦間のコミュニケーションの程度を、一緒の夕食や買い物、旅行、話し合いや相談に分けてきいてみた。夕食については7割近くの者がよく一緒にすると答えたが、買い物に一緒に出かけると答えた者は、32.1%であり、旅行に一緒によく出かけるとした者は、19.6%にすぎなかった。夫婦で帰宅時間や予定を話あうものは半数弱、休日の過ごし方にいたっては一緒に相談しながらといった者は3分の1程度であった。悩み事の相談をよくすると答えた者も同様に約3分の1であった。
表18 年齢階級別に「よくする」と答えた夫婦のコミュニケーションのあり方
年齢階級別に「よくする」と答えた夫婦のコミュニケーションのあり方


     夫婦の関係を年齢別にみていると、夕食については、30代、40代においてあまりないと答えたものが目立つ。これは30代、40代の妻の夫がいわゆる働き盛りであって、家にいる時間もあまりない状況を垣間見ることができる。それが夫も定年を迎えて高齢になると大多数が夫婦で食事をとるように、あるいはとれるようになる。妻が働いているかどうかは、夕食を一緒にするかどうかにつていはあまり違いが見られない。夫婦のあり方に長い勤務時間といった雇用慣行が反映されている側面がうかがえる。

     一緒に買い物に行くかどうかは、年齢によって違いがはっきり出ている。20代の若い夫婦にいたっては、半数近くがよく一緒に買い物をすると答えており、30代においても38.5%の者が夫婦一緒に買い物をすると言っている。一方全く一緒にしないという者の割合が年齢と共に確実にあがっている。旅行についても20代の若い夫婦は一緒によくすると答えているものの割合が高い。帰宅時間や週の予定についても、20代の密接な関係が浮き彫りにされている。悩み事については、20代の緊密な関係は認められるものの、30代以降の世代では、相談する程度にそれほどの違いはない。

     以上、夫婦間のコミュニケーションについてみると、若い者ほど何でも一緒に考え、やっていこうとする夫婦のあり方がうかがえるが、年齢があがるにつれて何でも一緒にというのは少なくなる。
図19 年齢階級別理想の夫婦の過ごし方
年齢階級別理想の夫婦の過ごし方


     夫婦の理想的な過ごし方をみると、若年層で「いつも一緒に」という状況、高年層で「それぞれの生活を優先して」という世代によって明らかに異なった夫婦のあり方を志向する状況が認められた。



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