3. 夫妻の育児分担度

  • 1歳未満の子どもがいても、夫の1割弱は何もしない
     ここでは、子どもの誕生、成長という家族の拡大期にみられる夫婦の育児分担について、妻が育児全体のうちどの程度を担っているのかを検討している。まず年齢別にみると、妻集中型ともいえる育児の80%以上を妻が担っている家族は、20歳代以外の年齢層では8割を超えている。最も割合が低い20歳代でも4分の3にも達する。これら妻集中型のうち、妻が専従で100%育児を行い夫が全く子育てに参加していない家庭が、45-49歳代でほぼ3割に達する。若くなるほど漸減するが、20代でも1割強が妻任せの育児となっている。20歳代では、妻傾倒型(妻が60-79%)が2割おり、夫傾倒型(夫が60%以上)とほぼ平等に行う分担型(40-60%)を合わせた比較的夫が育児に参加している割合はわずか5.6%であることは注目される。
図14 妻の年齢別にみた妻の育児分担割合
妻の年齢別にみた妻の育児分担割合


     つぎに、末子の年齢による家族ステージ別にみた場合、末子が小さいほど夫の協力、参加がより必要なわけである。実際には、妻への集中型(80%以上)が、末子が1歳未満、3歳未満、6歳未満のそれぞれの段階での変化はあまりなく、このタイプに8割弱が含まれている。違いがあるとすれば、妻100%型の割合が、末子が小さいほど少なくなることである。しかし、夫が分担を相応に担う分担型、夫傾倒型は、1歳未満の子を持つ場合で、合わせてもわずか3.4%である。子どもが小学校に入学するか、あるいはそれ以降の段階では、妻集中型の割合がさらに高くなる。夫の育児への協力が得にくい状況は、家事同様であり、女性にとって、家事や育児の家庭役割にかぎっても、このような状況は結婚や出産へのコスト感、負担感の強いものにさせている。
図15 末子年齢別にみた妻の育児分担割合
末子年齢別にみた妻の育児分担割合



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