3.世代間の関係



1.親からみた成人子との関係

  • 独身成人子(25-49歳)の男子3割、女子4割が親の経済的支援を受けている
     晩婚化、非婚化の進行を、成人未婚者の親子関係のあり方と関連させる捉え方がある。成人した子どもに親はどの様な関わり方をしているのか。子世代の男女年齢別、既未婚別に、子どもと話す頻度、あるいは子どもへの手助けや世話の内容、についてみている。
     話す頻度については、まず成人未婚子については、女子について、男子よりも話す傾向がみられ、年齢に関わらず4人に3人程度が毎日話している。一方男子では6割程度が話をするが、月に1〜2回程度以下の者も2割以上いる。有配偶者では、かえって男子の方が「毎日話す」頻度は上がり女子よりも高く、女子では週1-2回から週3-4回が男子より高くなる。
    これは、結婚した娘は、夫方の親と同居しているケースも多いためであろう。そうであるとすれば、母娘はかなりの頻度で、話をしていることになり、母娘の強い関係がうかがえる。
表6 成人子の配偶関係、性別、年齢別にみた話をする頻度
成人子の配偶関係、性別、年齢別にみた話をする頻度


     つぎに、子世代への世話についてみると、未婚子の場合、身の回りでは男女とも高い割合で親の支援を受けている。その割合は女子の方でより高く7割以上となっている。悩み事の相談相手では、女子の方が、男子に比べ高く3割程度が母親に悩み事の相談をしている。経済的支援については、女子の4割、男子の3割が援助を受けている。30歳代以上でも、男子15%女子では2割弱が経済的サポートを受けている。有配偶の場合は、出産や孫の世話で男子よりも、女子で高く、全体で7割近くが援助を受けている。全体で4割近くが、悩み事の相談相手になっており、結婚後も母親は娘の重要なサポート資源となっている。経済的支援では、男子の方が女子よりも高く年齢があがるにつれて割合は低下するものの全体では45%もが援助を受けている。男子では、金銭などの経済的支援、女子では、出産や孫の世話に加えて、悩み事の相談など、母娘の間で精神的なケア資源となっている。
表7 成人子の配偶関係、性別、年齢別にみた世話の内容
成人子の配偶関係、性別、年齢別にみた世話の内容



目次へ戻る 前へ戻る 次へ進む