V 生活費用の担い手




1. 人生の各ポイントにおける生活費用の担い手



 家族の助け合いは、人々が子どもの時期を終えて成人して、家族をもち、引退して老後を迎える人生の各ポイントにおける生活費用の担い手の変化とも関連する。そこで、20歳から69歳までの回答者(学生は除く)の生活費用の担い手の変化を、「15歳のとき」、「最後の学校を卒業した直後」、「現在」という人生の3つのポイントを取り上げて比較を行った(表V-1)。
 「15歳のとき」に「親のみ(父のみ、母のみ、父母のみの合計)」が生活費用の担い手であった割合は74.7%であるのに対して、「最終学校の後」には、その割合は63.1%となっている。「現在」では「本人、配偶者、両方」が生活費用の担い手である割合が最も多く、69.0%となっている。



表V-1 ライフステージにおける生活費用の担い手(学生は除く)  

 



 次に、高齢者(65歳から69歳の回答者)と若年者(20歳から39歳の回答者)について、生活費用の担い手を見た。まず、高齢者について現在の生活費用の担い手を見ると(表V-2)、「本人、配偶者、両方」が最も多く、男性58.4%、女性54.9%であった。次に多いのは、「公的支援を含む組合せ」となっており、男性6.8%、女性6.0%となっている。



表V-2 現在の生活費用の担い手(65-69歳)  

 



 「本人、配偶者、両方」と回答している人々の主な収入源を見ると(表V-3)、主な収入源が本人の勤労収入と社会保障等を合わせたものと回答する者の割合は男性32.1%、女性17.6%、社会保障等と勤労収入以外を合わせたものと回答する者の割合は男性40.5%、女性56.3%となっており、公的支援や社会保障は重要な役割を果たしていることが見て取れる。



表V-3 現在の生活費用の担い手と主な収入の財源(65-69歳)  

 



 若年者について、「現在」の生活費用の担い手が何歳頃から本人になるのかを見るために20歳から39歳までの若年者の回答者について5歳階級別に現在の生活費用の担い手が「本人、配偶者、両方」となる割合を見ると、男性では(表V-4)、その割合が20歳代前半の29.1%、20歳代後半の54.8%、30歳代前半の69.8%、30歳代後半の72.5%へと上昇する。女性では(表V-5)、その割合は20歳代前半の31.7%、20歳代後半の58.0%、30歳代前半の69.9%、30歳代後半の74.3%へと上昇している。
 一方で、成人しても、生活費用の担い手が「親のみ(「父のみ」、「母のみ」、「父母のみ」の合計)」である者もおり、男性では(表V-4)、20歳前半で37.1%、20歳代後半で17.5%、30歳代前半で9.5%であるのに対して、女性では(表V-5)、20歳代前半で33.8%20歳代後半で14.0%30歳代前半で9.4%となっている。生活費用の担い手は、若いころには男性のほうが女性よりも「親のみ」の割合が高く、生活費の担い手の「本人、配偶者、両方」への変化は、男性のほうが女性に比べてゆっくりとしている。



表V-4 現在の生活費用の担い手(男性・20-39歳)  

 

   



表V-5 現在の生活費用の担い手(女性・20-39歳)  

 




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