3.仮定の解説
(3) 国際人口移動の仮定とその効果
4)国際人口移動の仮定値が将来人口変動に及ぼす影響 a) 封鎖人口における総人口の推移:中位推計結果
平成18年12月推計の国際人口の仮定においては、今後も国際人口移動がさらに活発化していくものと想定されているが、日本人の国際人口移動は転出超過であるため人口減少に、また外国人のそれは転入超過であるため逆の人口増加にそれぞれ働く。
また、移動の頻度は年齢によって大いに異なっており、集中する年齢などがあるため、推計人口の年齢構造にも影響が及ぶことになる。
そこで、仮定された国際人口移動の動向が、将来人口にどのような影響を及ぼすかを計測するために、国際人口移動がいっさい生じないと仮定した場合、すなわち日本の人口が封鎖状態であると仮定した場合の将来人口を新たに推計し、これと平成18年12月推計とを比較することにした。
平成18年12月推計において国際人口移動の仮定値が将来人口動向に及ぼす影響は、この二つの推計の差として捉えられる。なお、この推計結果の詳細については本書第U章に報告している。
まず、総人口の将来の推移について出生中位・死亡中位推計と封鎖人口とを比較すると、封鎖人口の場合の方がやや少なく推移し、またその差は年次とともにわずかずつ拡大している(図3-15)。
そして、2055年には出生中位・死亡中位推計人口が 8,993万人であるのに対し、封鎖人口は 8,636万人となっており、357万人だけ少なくなっているから、出生中位・死亡中位推計において国際人口移動の仮定は、この数だけ人口を増やす方向に働いていたことになる。
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