3.子ども数についての考え方



(1)理想子ども数・予定子ども数



  • 理想子ども数、予定子ども数とも減少傾向が続く
     夫婦にたずねた理想的な子どもの数(平均理想子ども数)は、前回調査に引き続き低下し、調査開始以降最も低い2.42人となった。また、夫婦が実際に持つつもりの子どもの数(平均予定子ども数)も、初めて2.1を下回り、2.07人となった。ただ、結婚持続期間が10年未満の夫婦ではわずかながら上昇した。




  • 若い夫婦の出生意欲は維持されるも、実現が進まず
     理想子ども数、予定子ども数は結婚持続期間によって大きく変わることはない。ただし、予定子ども数では、持続期間が進むと予定の実現により内訳が変化していく(図3-2)。
     出生過程に入って間もない結婚持続期間0〜4年の夫婦について過去と比較すると、理想子ども数は第9回調査(1992年)以降一貫して減少傾向にあったが、今回調査では横ばいとなった(図3-3)。同持続期間の予定子ども数については、これを構成する現存子ども数が減少傾向にあるが、追加予定子ども数はさほど減少しておらず、これらを合わせた予定子ども数はいぜん平均2人を超えた水準にある(同図)。このように若い夫婦では持つつもりの子ども数はあまり変わっていないが、出生実現のペースに遅れが見られる。



(2)理想の子ども数をもたない理由、
  予定の子ども数を実現できない可能性



  • 予定子ども数が理想子ども数を下回る理由、「お金がかかりすぎる」が最多
     予定子ども数が理想子ども数を下回る理由として最も多いのは「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」であった。とりわけ30歳未満での若い世代ではこうした経済的理由を選択する割合が高い。一方、30歳代以上では、「欲しいけれどもできないから」などの年齢・身体的理由の選択率が高い。また、30歳代では「これ以上、育児の心理的・肉体的負担に耐えられないから」という回答が他の年齢層に比べて多かった。


  • 1人目の壁は年齢・身体的理由、3人目の壁は経済的理由
     予定子ども数が理想を下回る場合、理想を3人以上としている夫婦では理想を実現できない理由として「お金がかかりすぎる」「家が狭い」といった経済的理由を挙げる割合が高い。一方、理想が2人以下の場合には、「高齢だから」「欲しいけれどもできないから」などの年齢・身体的理由が多く挙げられている。


  • 予定子ども数を実現できない可能性、「収入が不安定だから」「年齢・健康上の理由」
     今後子どもを生む予定がある夫婦に、予定の子ども数を実現できないとしたときに考えられる理由についてたずねたところ、妻が30歳未満の若い層では4割以上(43.6%)が「収入が不安定なこと」を挙げている。また、妻35歳以上の夫婦では65.3%が「年齢や健康上の理由で子どもができないこと」により予定の子ども数を持てない可能性があると考えている。





(3)子どもの男女組み合わせ



  • 女児選好の傾向が定着
     理想とする子ども数の男女の内訳については、1980年代から90年代を通して女児を多く望む夫婦の割合が増えていたが、その後は女児選好の傾向が定着して推移している。今回の結果でも大きな変化はないが、男女児をバランスよく持つことを望む夫婦がわずかに増えている。




目次へ戻る 前へ戻る 次へ進む

社人研トップへ