W 生活に困難を抱える世帯の状況




1. 食費が足りなかった経験



 過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料が買えなかった経験をもつ世帯が全世帯のうちどれだけの割合であったかを見ると(表W-1)、「よくあった」という世帯は2.5%、「ときどきあった」世帯は、4.5%、「まれにあった」世帯は8.6%であり、計15.6%の世帯が、食費が足りなかった経験をしている。世帯タイプ別にその割合を見ると、ひとり親世帯(二世代)においては、「よくあった」とする世帯が8.3%と最も高い。単身世帯、特に非高齢や男性の単身世帯は、他の世帯タイプに比べ、食費の足りなかった経験がある割合(「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」の合計)が高くなっている。一方、「まったくなかった」とした世帯が多いのは、夫婦のみ(夫婦ともに高齢者)世帯、子どもがあるふた親世帯(三世代)であった。



表W-1 世帯タイプ別、食費が足りなかった経験がある世帯の割合  

 



 次に、20歳から69歳の世帯員がいる世帯において、等価世帯所得の所得階級別(10分位)に、食費が足りなかった経験を見ると(図W-1)、おおむね、低所得層の方が高所得層に比べ、経験があったとする世帯の割合が多い。食費が足りなかった経験があったと回答した世帯の割合は、所得階級2が一番多く28.6%、所得階級10が一番少なく3.9%であった。



 地域ブロック別に食費が足りなかった経験を見ると(表W-2)、その経験をした世帯の割合が最も多かったのは北海道であり、その割合は21.1%であった。次に経験が多かったのは、「東北」と「九州・沖縄」であり、逆に少なかったのは「北関東」であった。



表W-2 地域ブロック別、食費が足りなかった経験がある世帯の割合  

 



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