U 家族の助け合い




1. 親への経済的援助



  親へ経済的援助をしている者の割合は、婚姻の状況別に見ると(表U-1)、未婚者の場合は、男性は18.8%、女性は18.4%であり、男女ともほぼ同じであった。これに対して、有配偶者については、本人の親へ経済的援助をしている割合は男性9.8%、女性5.7%であり、配偶者の親へ経済的援助をしている割合は男性4.1%、女性5.8%であった。また、離別・死別者の場合、親への経済的援助をしている割合は、男性11.3%、女性7.9%であった。 本人の年齢別に親へ経済的援助をしている者の割合を見ると(表U-1)、本人の婚姻の状況にかかわらず、本人の年齢が60歳代の割合は60歳未満のどの年齢階級よりも低い値となっている。

表U-1 婚姻状況別、親への経済的援助をしている者の割合


  親へ経済的援助をしていない理由について回答があったものの内訳を見ると(表U-2、表U-3、表U-4、表U-5、表U-6、表U-7)、本人の婚姻の状況にかかわらず、本人の年齢が60歳代になると「両親が共に死去」が最も大きな理由となる。これに対して、その他の理由については、本人の結婚の状況による相違が見られる。 未婚者の場合には(表U-2、表U-3)、年齢が若い人が多いことも影響して(40歳未満が占める割合は77.8%(男女計))、男女ともに「父も母も援助を必要としていない」との回答が最も多いが(男性43.6%、女性49.1%)、「自分が経済的援助を受けている」(男性21.0%、女性16.6%)、「自分の経済的理由」(男性16.3%、女性16.4%)と自分側の理由を挙げる割合も多い。

表U-2 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)未婚者:男性

 

表U-3 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)未婚者:女性



  有配偶者の場合は(表U-4、表U-5)、男女ともに、本人および配偶者の親へ経済的援助をしていない理由として、「父も母も援助を必要としていない」ことが最も多く、次に「両親が共に死去」となっている。しかし、「自分の経済的理由」や「自分が経済的援助を受けている」という自分側の理由を挙げる者も少なくなく、20歳代から40歳代にかけては、その割合が大きくなっている。特に、20歳代の男性の場合は、自分の親への援助をしない理由を「自分の経済的理由」、「自分が経済的援助を受けている」とする割合は17.5%6.0%となっている。女性の場合は「自分の経済的理由」を挙げる割合は、男性に比べて少ない。

表U-4 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)有配偶者:男性

 

表U-5 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)有配偶者:女性



  離別・死別の場合には(表U-6、表U-7)40歳以上の人が占める割合が多いことも影響して(40歳以上が占める割合は男性83.8%、女性80.8%)、男女ともに、親への援助をしていない理由として、「両親が共に死去」(男性44.1%、女性40.9%)が最も多く、ついで「父も母も援助を必要としていない」(男性28.3%、女性23.5%)となっている。しかし、年齢階級別に見ると、30歳代から50歳代では、「自分の経済的理由」を挙げる割合が、有配偶者の場合に比べて大きい。

表U-6 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)離別・死別者:男性

 

表U-7 親への経済的援助をしていない理由(複数回答)離別・死別者:女性






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