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国立社

会保障・人口問題研究所

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はしがき

 

 『日本社会保障資料W(1980-2000)』は、高度経済成長が低成長に移行し、社会保障改革も単純な制度の拡充から財政制約への対応に重点が移行した1980年代以降2000年を中心として文書資料を収集したものである。この資料集を利用して改革の流れを追うとともに、社会経済との関連について解説(解題)もおこなっている。資料の収集は、諸先行研究、並びに政府各省庁の資料、関係審議会の答申・勧告・建議などの文書資料に加えて、関係諸団体の文書なども含まれている。資料の収録に際して、転載を許可して頂いた関係者・関係団体の皆様に、厚く御礼申し上げる。

 全体の構成は、従来の資料シリーズ(T〜V)を踏まえつつ、現在の社会保障体系を考慮して、Tのような関係団体ごとの部構成ではなく、V同様のテーマ構成になっている。

 その構成は以下のように、1人口、2社会保障、3医療保険、4薬価・診療報酬、5医療法の改正、6年金、7企業年金・農業者年金、8雇用対策・雇用保険、9労働者災害補償保険、10介護保険、11生活保護、12社会福祉、13児童福祉、14児童手当、15障害者福祉、16老人福祉に区分され、各章ごとに解説(解題)をおこなっている。

 ただし、本資料はCD-ROMという媒体を用いる点で、これまでの印刷物(紙媒体)とは異なっているし、その変化に応じて本資料の様式は大きく変化している。新しい様式に移行しても、資料の利用に際しては、できるだけユーザー志向の利便さを追求するように心がけてきている。その結果として、格段に向上した部分があることも明記しておきたい。

 本資料では、まず(1)各資料をPDF形式のファイルにして保存することによって、これまで繰り返し指摘されてきた資料数についてほとんど制限を設けていない。そのため、われわれは、制度形成の文脈に応じて必要とされる資料については、一部1980-2000年という収集期間を越えて資料を収蔵している。新しい様式によって、諸制度のプロセスを重視する方針を反映することができたのである。(2)納められた資料については、一覧表(リスト)を作成し、一覧表から直接資料を開くことが可能になった。閲覧したい資料はすぐにPC画面に映し出されるため、アクセス・スピードは格段に向上している。(3)さらに、文字検索ソフトを利用することによって、資料のすべてを対象とした、キーワード検索などが可能になった。ユーザーは、納められた資料を縦横無尽に閲覧することができるのである。こうした利点を十分に利用して、本資料を十二分に活用して頂きたい。

 最後になったが、本プロジェクトの土田武史委員長をはじめ所外委員、研究協力者の皆さんに対して感謝を申し上げたい。また、PDFファイル作成作業を手伝ってくれた川田淳、倉島正暁、坂佳樹の三君(いずれも早稲田大学商学部生)に対してお礼を申し上げたい。

2005(平成17)年3月

国立社会保障・人口問題研究所

金 子 能 宏

西 村 幸 満