3.希望の結婚像
−どんな結婚を求めているのか−



(1)希望する結婚年齢



  • 希望する結婚年齢の上昇続く
     未婚者が結婚したいと思う年齢(平均希望結婚年齢)は、各年齢層で男女ともに上昇しており、18〜34歳の未婚者の平均希望結婚年齢は男性で30.4歳(前回30.0歳)、女性で28.4歳(同28.1歳)となった。




  • 年齢の近い結婚相手を望む傾向が拡大
     結婚相手との年齢差についての希望を見ると、近年男女ともに縮小傾向にあり、未婚者の間で年齢の近い相手(とくに同い年の相手)を希望する人が増えている。とりわけ男性における「同い年志向」の増加が顕著であり、今回調査では35.8%(前回29.4%)を占めるに至った。


(2)希望するライフコース


  • 実際になりそうなライフコースは専業主婦コースが減り、両立コースが拡大
     未婚女性が理想とするライフコース(理想ライフコース)は1990年代に専業主婦コースが減って、両立コースが増えたが、その後は大きな変化はない。一方、実際になりそうだと考えるライフコース(予定ライフコース)では、専業主婦コースの減少が現在まで続いており、今回はじめて1割を下回った(9.1%)。また、これに代わって両立コースおよび非婚就業コースの増加傾向が続いている。
  • 男性がパートナーに望むライフコースも、専業主婦コースに代わって両立コースが増大
     未婚男性がパートナーとなる女性に望むコースでも、女性の予定ライフコースと同様に専業主婦コースが減少し、両立コースが増加する傾向が続いている。専業主婦を望む人が1割(10.9%)に減少する一方で、両立コースを望む人は2000年前後にこれを逆転し、今回は3割を超えている(32.7%)。


(3)結婚相手に求める条件


  • 結婚相手の条件として「家事・育児の能力」が増加、女性では「経済力」「職業」の重視傾向も強まる
     結婚する意思のある未婚者が結婚相手に求める条件としては、男女とも「人柄」を重視または考慮する人が最も多いが、「家事・育児の能力」「自分の仕事への理解」も大多数の未婚者が重視している。とくに「家事・育児の能力」は約10年前の第11回調査(1997年)に比べ、「重視する」割合が顕著に増加している。その他、「容姿」「共通の趣味の有無」は男女ともに考慮・重視する割合が高いが、女性では「経済力」「職業」を考慮・重視する割合がこれらよりも高く、とりわけ「経済力」「職業」を「重視する」割合は、今回の調査で明瞭な増加が見られる。



(4)子ども数についての希望


  • 未婚者の希望子ども数、男性で低下、女性では微増
     結婚する意思のある未婚者が希望する子ども数の平均値は近年わずかずつ減る傾向にあるが、今回男性では2.04人となり、これまでで最も低い値となった。一方、女性では前回調査(2005年)から傾向が反転し、今回もやや上昇して2.12人となった。なお、前回調査からは女性の希望子ども数が男性の値を上回っており、今回その差はやや開いた。


  • 女性では女の子を多く望む傾向が継続している
     希望する子ども数における男女の比率は、従来未婚男女ともに男の子をより多く望む傾向にあったが、しだいに女の子を望む割合が増えてきた。第11回調査(1997年)以降、女性では希望子ども数における女の子の希望が半数を超えている。一方、男性では第12回調査(2002年)以降は男の子をわずかに多く希望する水準で変化が止まっており、近年の未婚男女はそれぞれと同性の子どもをより多く望むかたちとなっている。





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