W.子ども数についての考え方
1 .理想子ども数・予定子ども数
予定子ども数の減少で、理想子ども数との差がやや広がる
本調査では、夫婦にとっての理想的な子どもの数(理想子ども数)と、実際に持つつもりの子どもの数(予定子ども数)をたずねている。今回調査では、平均理想子ども数は2.56 人、平均予定子ども数は2.13 人であった。平均理想子ども数は前回調査と比べ、ほぼ横ばいであったが(表W-1-1)、平均予定子ども数は結婚後15 年未満の比較的若い夫婦を中心に減少が見られ(表W-1-2)、これらのグループで予定子ども数と理想子ども数との差がやや広がった。また、結婚後5 年未満の若い夫婦では、1990 年代以降、理想、予定子ども数ともに比較的急な低下傾向が見られる。
2.子どもを持つ理由、持たない理由
子どもを持つ理由は「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから」
理想的な子どもの数を1 人以上と答えた人に、なぜ子どもを持つことが理想なのかをたずねたところ、どの年齢層でもほぼ8 割の人が「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから」と回答した。また、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」は年齢が高いほど多く回答されているが、若い層ではそれに代わって「好きな人の子どもを持ちたいから」が多く回答されている。「子どもは老後の支えになるから」は若い層ほど多い。
予定子ども数が理想子ども数を下回る理由:「お金がかかりすぎる」がトップ
予定子ども数が理想子ども数を下回る夫婦に、その理由をたずねたところ、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」がどの年齢層でもトップとなった。また、若い層ほどこの理由を多く選んでおり、20 歳代では8 割を超えている。ほかに30 歳代後半では「高齢で生むのはいやだから」が、またそれより若い年齢層では「子どもがのびのび育つ社会環境ではないから」が多く回答されている。「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」は中間の年齢層で多く回答されている。
3.子どもの男女組み合わせ
理想の男女組み合わせ:女の子を望む夫婦が多い
理想の子ども数について、男女児数の組み合わせをたずねたところ、第10 回調査(1992 年)から顕著となった女児が好まれる傾向は続いているが、選好の強さは前回調査並みであった(表W-3-1)。回答者全体による理想とする総男児数と総女児数の構成を見ても、女の子が望まれる傾向とその強さは前回並みである(図W-3-1)。
4 .不妊についての心配と治療経験
不妊を心配したことのある夫婦は4 組に1 組、子どものいない夫婦では約半数
「過去に子どもができないのではないかと心配したことがある(あるいは現在心配している)」夫婦は全体の約1/4(26.1 %)であった。さらに、子どものいない夫婦ではこの割合は約半数(48.2 %)に上る。また、実際に不妊に関する検査や治療を「過去に受けたことがある(あるいは現在受けている)」夫婦は全体で約13 %、子どものいない夫婦では4 組に1 組(25.5 %)であった。
妻 が40 歳代の子どものいない夫婦では、半数が不妊に関する検査や治療を経験
子どもがいない夫婦について、不妊の心配・治療経験を妻の年齢別に見ると、年齢が高いほど不妊を「心配したことがある(あるいは現在心配している)」夫婦の割合が高くなる。不妊に関する検査や治療を「受けたことがある(あるいは現在受けている)」夫婦は、妻の年齢30 歳代前半で4 組に1 組(25.4 %)、40 歳代では約半数(40 歳代前半49.4 %、後半49.2 %)に達する。妻の年齢が高くなるほど、心配した夫婦の中での検査・治療の経験率は高くなり、40 歳代ではおよそ8 割となっている。
目次へ戻る
前へ戻る
次へ進む