V.夫婦の出生力
1 .完結出生力
子どもを生み終えた夫婦の平均子ども数は2.2 人で変化なし
ほぼ子どもを生み終えた結婚持続期間15 〜19 年の夫婦の平均出生子ども数(完結出生児数)は、戦後大きく低下した後、第6 回調査(1972 年)において2.2 人となり、以後30 年間ほぼこの水準で安定している。今回の調査においても完結出生児数は2.2 人と、同様の水準を維持しており、この世代の夫婦(1980 年代半ばに結婚)の出生力は安定していたことがわかった。
夫婦の最終的な子ども数は2 人または3 人が8 割以上を占める
夫婦が最終的に生んだ子どもの数(結婚持続期間15 〜19 年の夫婦の出生子ども数)は、第7 回調査以降ほとんど変化がなく、2 人ないし3 人に集中した構成となっている。すなわち、約8 割の夫婦が2人か3 人の子どもを持っている。また、子どものいない夫婦は約3 %、1 人っ子が1 割弱、4 人以上は4 〜5 %となっている。今回も子どもを生み終えた世代の夫婦では、こうした構成にほとんど変化はなかった。
2 .出生途上の子ども数
結婚後5 〜9 年、10 〜14 年の夫婦で、平均子ども数の低下が続いている
第10 回調査(1992 年)から低下していた結婚持続期間0 〜4 年の夫婦の平均出生子ども数は、今回調査ではやや上昇した。他方、結婚持続期間5 〜9 年、10 〜14 年の夫婦では、前回調査で見られた平均出生子ども数の低下が継続した。
結婚後5 〜9 年、10 〜14 年の夫婦で、1 人っ子を持つ割合が増える
結婚持続期間ごとに子ども数の分布をみると、結婚後5 〜9 年では第10 回調査(1992 年)以降、10 〜14 年では第11 回調査(1997 年)から、子ども数2 人以上の夫婦が減り、1 人っ子が増えている。結婚持続期間5 〜9 年では同時期に子どものいない夫婦もやや増えた。
3 .妻の世代による比較
90 年代以降、夫婦出生力に低下が見られる
妻の年齢別に夫婦の平均出生子ども数の推移をみると、1990 年前後(第9 〜10 回調査の間)に20 歳代後半から30 歳代前半で最初に低下が見られ、その低下は30 歳代後半へ広がりながら90 年代半ば(第10 〜11 回調査)へと継続したことがわかる(図V-3-1)。さらに、2000 年前後(第11 〜12回調査)でも30 歳以上で低下が続いているが、20 歳代の若い層では低下に歯止めがかかっている。これらの動向を妻の世代別(生まれ年別)にみると、1960 年代生まれの世代が20 歳代の終わりに達した頃から夫婦の出生力が低下していることがわかる(図V-3-2)。
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