本セミナーは終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
基調講演者・パネリストが当日使用したパワーポイントを下記プログラムに掲載しました。(2005.1.26)
概要
1.主催 国立社会保障・人口問題研究所
2.後援 読売新聞社
3.日時 2004年12月16日(木)10:00〜16:45
4.場所 国連大学 国際会議場(渋谷区神宮前5-53-70)
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・渋谷駅から徒歩8分
・地下鉄表参道駅(銀座線、半蔵門線、千代田線)B2出口から徒歩5分
※駐車場がございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。

5.主旨
少子高齢化の急速な進展、経済基調の低迷、国民の価値観の多様化など、わが国の社会保障を取り巻く環境は大きく変化している。このため、とりわけこの数年、医療、年金、介護、福祉をはじめとする社会保障制度改革が相次いで行われ、あるいは改革がタイムテーブルにのぼっている。
社会保障制度は社会経済の変化に伴い改革を迫られるが、同時に、社会保障制度が社会経済に影響を及ぼすという双方向の関係にある。とりわけ、日本の社会保障給付費は、毎年増加を続け、今日では、国の一般会計予算を上回る約84兆円(国民一人あたり約65万6千円)という巨額な規模に達している。このため、経済界からは、「社会保障の伸びを適正なものにしなければ国際競争力がそがれ、経済成長の足枷になりかねない」といった主張もなされている。また、日本の少子高齢化は世界に例をみないピッチで進んでおり、社会保障の世代間の給付と負担の不均衡や社会保障制度の持続可能性を危惧するむきも少なくない。
他方、社会保障は国民生活の基盤として重要な役割を果たしており、将来の生活設計にも大きく関わるものとなっている。このため、国民の多くは社会保障制度の改革の必要性は認識しつつも、具体的に給付の見直しや負担の増加を内容とする改革案が提示されると反対の声が強まることになる。一昨年の医療保険制度改革や本年の年金制度改革が大きな論議を呼び起こしたことは耳目に新しい。
しかし、確実に言えることは、課題を先送りすることは問題の解決をより困難とするだけであり、対症療法的な取組みも問題の本質的な解決にならないことである。採るべき途は、社会保障制度が置かれている現状を直視し、制度横断的に社会保障の将来ビジョンを明らかにし、国民的コンセンサスを得ながら、一つひとつ着実に改革を進めていくことであろう。
こうした議論を進める上で有益なことは、国際比較を通しわが国の社会保障制度を相対化し、何を維持し何を改めるのかを吟味することである。言うまでもなく、社会保障制度は歴史、経済、政治、文化の所産であり、各国の制度の仕組みは異なっている。しかし、社会保障を取り巻く背景や課題は共通した部分も多く、将来にわたり社会保障制度が持続可能なものとなるよう、いずれの国においても様々なチャレンジが行われている。こうした各国の取組みは、我が国の社会保障制度を再考し今後の在り方を考えるうえで有益な示唆を与えると考えられる。
このため、本セミナーにおいては、世界各国の年金制度に造詣の深いゲィリー・バートレス(Gary Burtless)氏、ヨーロッパ諸国の医療制度改革に詳しいピーター・スミス(Peter Smith)氏をお招きし、年金と医療を中心に社会保障制度改革の国際的潮流についてご講演いただくこととした。また、午後のパネルディスカッションでは、貝塚啓明中央大学教授、池上直己慶應義塾大学教授にも加わっていただき、わが国の問題関心も踏まえ国際比較や重要論点に関し討議を行う。これらを通じて日本の社会保障制度の将来像や課題を明らかにしたい。
6.定員 300名 応募多数の場合は抽選となります。
7.その他 聴講無料/日英同時通訳

基調講演者・パネリスト等紹介

問題提起 島崎謙治(国立社会保障・人口問題研究所副所長)

基調講演者 ゲィリー・バートレス(アメリカ ブルッキングス研究所主席研究員)
ピーター・スミス(イギリス ヨーク大学医療経済研究センター教授)

パネリスト 貝塚啓明(中央大学研究開発機構教授)
池上直己(慶應義塾大学医学部教授)

司会 府川哲夫(国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部長)

プログラム

午前の部
10:00〜10:30 開会挨拶・問題提起
島崎謙治(国立社会保障・人口問題研究所副所長)

10:30〜11:30 基調講演1「先進諸国の年金改革から得られる政策的意義」
ゲィリー・バートレス(アメリカ ブルッキングス研究所主席研究員)当日パワーポイント

11:30〜12:30 基調講演2「ヨーロッパの医療システム改革と日本への示唆」
ピーター・スミス(イギリス ヨーク大学医療経済研究センター教授)当日パワーポイント

12:30〜14:00 昼食休憩

午後の部
14:00〜15:00 ディスカッション1(パネリストのスピーチ、ディスカッション)
貝塚啓明(中央大学研究開発機構教授)
池上直己(慶應義塾大学医学部教授)当日パワーポイント

15:00〜15:20 休憩

15:20〜16:45 ディスカッション2
司会:府川哲夫(国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部長)
全員による討論



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