
厚生政策セミナーは終了しました。
たくさんの聴講者にご参加いただきありがとうございました。
日 時 :平成31年2月5日(火)
13:00~16:20(開場12:30)
会 場 :千代田区立日比谷図書文化館 地下1階
日比谷コンベンションホール
定 員 : 200名(事前申し込み<先着順>)
参加費 : 無料
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※当日の動画は後日、厚生労働省の動画サイトにて公開します。

国立社会保障・人口問題研究所は、社会保障・人口問題に関する科学的でハイレベルな研究の実践、政策議論の基礎となるエビデンスの提供、そして将来人口推計の実施や革新的・先端的研究への挑戦、研究分野全体の向上に取り組んでいます。また、内外の人口ならびに社会保障をめぐる問題について議論し理解を深める場として、毎年1回テーマを決めて「厚生政策セミナー」を開催しています。
第23回「厚生政策セミナー」では、「地域ケア会議」を取り上げます。地域ケア会議とは、高齢者個人に対する支援の充実とそれを支える社会基盤の整備を同時に進めていくための手法です。地方自治体は、この手法の効果的な運用を通じて、地域包括システムの実現に一歩近づくことができます。今回は、過去のセミナーとは少し趣を変え、政策が実施される過程における実践の報告を共有し、関係者の取組の進展につなげる機会にできればと考えます。
地域ケア会議について、もう少し具体的に紹介しますと、地域包括支援センター等が主催し、
●医療、介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高めること
●個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化すること
●共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげること
などを目的とします。また、会議には、
①個別課題解決機能
②ネットワーク構築機能
③地域課題発見機能
④地域づくり・資源開発機能
⑤政策形成機能
といった5つの機能があると言われています。
「認知症」「単身高齢者」「高齢多問題家族(多重債務、依存症等)」といった様々な課題を有する地域住民に対する支援においては、多職種の連携を基礎とする地域ケア会議が効果的に運用され、その機能が発揮されることが不可欠と考えられます。
しかしながら、現状では、地域ケア会議を効果的に運用できていない地方自治体も多いと言われています。その理由としては、従来の自治体関連の会議はシナリオ展開方式が多く、参加者の気づきや意見をまとめていく方法に慣れていない、あるいは、行政職と専門職の間、部署と部署の間に「壁」があり、それぞれが自分の守備範囲を意識していて協働の形がとりにくいなど、会議の運営に関する指摘も数多くあります。
今回のセミナーでは、効果的な地域ケア会議の運用に知見のある研究者と会議を実際に運営し実践を重ねている自治体職員の方々に登壇いただき、地域ケア会議の「目的・意義」に関する議論(例 医療介護連携、地域と専門職の連携づくり、地域共生社会の実現)に加え、多主体が参加する「会議運営のノウハウ」についても議論を広げ(例 議事のセットや進行を担当するが、意見を述べたり意思決定には加わらないファシリテーターの活用)、参加者の皆様とともに、地域ケア会議の内容・役割の充実と全国的な展開に向けた方向性を見いだしたいと考えております。