第2回人口問題に関する意識調査
調査結果のポイント
● 調査の概要
1 調査期日と対象
調査期日は平成7年6月15日,全国の20〜69歳の男女を対象としている.
2 回収状況
調査票配布数は25,751票 有効回収票数は22,497 有効回収率は87.4%
● 結婚の意志ー生涯独身志向
・30歳代前半までの男子の独身志向が上昇.
● 出生力と出生意識
1 出生児数
・有配偶女子の平均出生児数(1夫婦あたり)は1.9の水準で,1990年代
前半における結婚出生力はわずかながら減少傾向がみえるものの,その
変化は小さい.
2 予定子ども数と理想子ども数
・1夫婦当たり2人という子ども数規範は各年齢層で共有されている.
・3人を理想とする人が減少して2人以下を理想とする人が増加.
● 晩婚化について
1 晩婚化への評価
・晩婚化を「望ましくない」とする人の割合は「望ましい」と感ずる人の
約3倍.
・結婚適齢期女子に晩婚化を「望ましい」とする人が「望ましくない」と
答えた人よりも多い.
2 晩婚化の理由
・晩婚化の理由の第一位は「結婚を選択しない人の増加」(24.3%).
・未婚者の晩婚化の理由では経済的要因で男女差.
3 晩婚化の将来
・約7割の人が晩婚化傾向は定着または進行すると考えている.
● 出生率低下について
1 出生率低下への評価
・出生率の低下が「望ましくない」とする否定的見解(42.3%)は
「望ましい」とする肯定的見解(5.1%)を大きく上回っている.
2 出生率低下が「望ましくない」とみる理由
・出生率低下が「望ましくない」理由の第1位は「高齢化が深刻になる
から」(52.4%)で,前回調査(41.4%)より増加している.
3 出生率低下対策の必要性と内容
・出生率を引き上げるために「何らかの対策をとるべき」と考える人の
割合は81.1%で,前回調査(76.0%)よりも大きく増加.
・対策の内容として最も多いのは,「子育ての経済的負担を軽減」
(49.9%).
● 日本人口の高齢化について
1 将来の人口の高齢化への評価
・日本人口の高齢化は「望ましくない」とする否定的見解の人は57.3%
で,前回調査(51.5%)より増加している.
2 将来の人口の高齢化の緩和対策
・人口高齢化の緩和対策が必要とした人のなかで,最も多いのが「出産
奨励のための対策をとるべきである」(68.1%)であり,前回調査
(53.8%)より大きく増加している.
● 老人の扶養・介護ならびに出産と子育てについて
・老人の扶養・介護と出産・子育てに対する国や自治体の支援政策に
ついては,7割近くの人が望んでいる.
● 日本の人口規模について
1 人口規模
・日本人口を多過ぎると考える人の割合が前回より低下(46.7%から
45.8%へ)し,ちょうどよいと考える人が増加(35.1%から38.3%)
しており,人口過剰感はいくぶん和らいでいる.
2 人口減少
・人口減少が「望ましくない」とする否定的見解が(23.9%)が「望ま
しい」とする肯定的見解(15.7%)を上回っている.
3 人口減少対策
・人口減少対策としては「出産奨励のための対策をとるべきである」
(78.8%)が圧倒的に多く,前回調査(67.2%)より増加している.
● 人口一極集中について
1 一極集中への評価
・首都圏への人口の一極集中を是正するために何らかの対策が必要と
考えている人は約6割.
2 一極集中への緩和対策
・人口の一極集中を是正するためには行政機構や教育機関等の地方
移転・分散化(44.3%)をあげる人が多い.
● 世界の人口について
1 世界の人口動向への評価
・少なくとも発展途上国に関しては抑制の努力をすべきという意見は
全体の71.0%.
2 発展途上国の人口問題解決に対する日本の協力
・発展途上国の人口抑制努力に対して協力すべきと考える人が増加
(76.1%から83.1%へ).