厚生労働科学研究費補助金 平成18年度



(政策科学推進研究事業)

12 医療等の供給体制の総合化・効率化等に関する研究(平成16〜18年度)

(1) 研究目的

 本研究は,@医療等の供給体制の全体ビジョンと政策課題を明らかにし,A地域包括ケアの推進など医療等の総合化・効率化の実現を図るための政策手段につき検討を行い,B理論と実証に裏づけられた具体的な政策提言を行うことを目的とする。

(2) 研究計画

 本研究は3 年計画であり,1 年目である平成16 年度は,医療等の供給体制に係るグランドデザインを検討するとともに,プライマリ・ケアをめぐる問題など主要な個別課題の理論的・実証的検討に着手した。2 年目である平成17 年度は,地域包括ケアや家庭医の実践などで先駆的な取組みを行っている地域の実態調査等を行うとともに,医療の質と効率性の向上や政策誘導手法等に関する理論的・実証的研究を行った。最終年である平成18 年度は,個別課題の検討を深化させたほか,医師と患者の関係など平成16・17 年度に行うことができなかった論点につき研究を進めるとともに,3 年間の研究を再構成し,各論点につき理想と現状のギャップを埋める具体的な方策と政策提言等をとりまとめた。

(3) 研究実施状況

・研究会
第1 回 平成18 年6 月 5 日「平成18 年度の研究計画について」
第2 回 平成19 年1 月15 日「研究成果総合報告」
・ワークショップ
第1 回 平成18 年9 月13 日 副島秀久(済生会熊本病院副院長・TQM センター部長)
「勤務医の立場からみた医療改革に関するワークショップ」
第2 回 平成18 年10 月5 日 ウルリッヒ・ベッカー(マックス・プランク国際社会法研究所所長)
「医療供給体制の改革に関する日独ワークショップ」
・実地調査
「兵庫県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年 4 月  
「鹿児島県,熊本県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年 5 月  
「福島県における地域ケアの取組み等に関する意見交換等」 平成17 年 5 月  
「鳥取県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年 6 月  
「沖縄県における離島医療対策に関する意見交換等」 平成17 年 6 月  
「福岡県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年8 〜 9 月  
「静岡県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年 9 月  
「ドイツにおける医療供給体制における質と経済性の向上のための取組みの調査」 平成17 年11 月  
「北海道中空知地域における医療資源(産婦人科医)の集約化の視察及び意見交換」 平成17 年11 月  
「北海道における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成17 年12 月  
「広島県における医療等の供給体制の視察及び意見交換」 平成18 年 1 月  

(4) 研究組織の構成

主任研究者
島崎謙治(政策研究調整官)
分担研究者
山本克也(社会保障基礎理論研究部第4 室長),泉田信行(社会保障応用分析研究部第1 室長),
川越雅弘(同部第4 室長),米山正敏(企画部第1 室長),
尾澤 恵(社会保障応用分析研究部研究員),
郡司篤晃(聖学院大学大学院人間福祉学研究科教授),
葛西龍樹(福島県立医科大学医学部教授,地域・家庭医療部部長),
大和田 潔(東京医科歯科大学臨床助教授),
松本勝明(国立保健医療科学院福祉サービス部長),
佐藤雅代(北海道大学公共政策大学院特任助教授)
研究協力者
本田達郎(企画部長(〜平成18 年11 月),医療経済研究機構研究主幹(平成18 年12 月〜)),
菊池 潤(客員研究員),箕輪良行(聖マリアンナ医科大学救急医学教授),
井部俊子(聖路加看護大学学長),
山田康介(北海道家庭医療学センター十勝更別サイト所長),
中川貴史(寿都町立寿都診療所所長),坂巻弘之(名城大学薬学部教授),
塩塚康子(九州中央病院地域医療連携室副室長兼医事係長),
松原由美(明治安田生活福祉研究所主任研究員),田中伸至(新潟大学法学部助教授)

(5) 研究成果の公表

 本研究の成果は,『平成16 〜 18 年度総合研究報告書(平成18 年度総括・分担研究報告を含む)』としてとりまとめたほか,以下の刊行物を発表した。

・刊行物
@ 島崎謙治「医師と患者の関係(上・中・下)」『社会保険旬報』2296 号,2297 号,2298 号(2006 年11 月)
A 川越雅弘「我が国における医療と介護の機能分担と連携」『海外社会保障研究』第156 号(2006 年9 月)
B 川越雅弘「医療保険改革と介護保険改革(上・下)」『月刊介護保険』122 号,123 号(2006 年4 月,5 月)
C 尾澤 恵「(社会保障法判例)医療法(平成9 年法律第125 号による改正前のもの)30 条の7 の規定に基づく病院開設中止勧告に行政事件訴訟法3 条2 項の処分性を認めた事例」『季刊社会保障研究』Vol. 42 No. 2(2006 年9 月)
D 郡司篤晃「イギリスにおける医療と介護の機能分担と連携」『海外社会保障研究』第156 号(2006 年9 月)
E 大和田 潔「在宅医療の体験例と現状」『難病と在宅ケア』12 巻9 号(2006 年12 月)
F 松本勝明「シュレーダー政権下での医療保険改革の評価と今後の展望」『海外社会保障研究』第155号(2006 年6 月)
G 塩塚康子「医療連携の取り組みからみた病院経営管理」『日本医療マネジメント学会雑誌』7 巻2 号(2006年9 月)





13 人口減少に対応した国際人口移動政策と社会保障政策の連携に関する国際比較研究(平成16 〜 18 年度)

(1) 研究目的

 本研究は,先進諸国等における国際人口移動と移動者の社会的統合の実態・政策,それに伴って必要となる社会保障政策との連携に関する分析を行い,各国の実態・政策を比較検討し,まもなく人口減少に直面するわが国における国際人口移動政策と社会保障政策の連携の可能性を検討し,政策的含意を導出することを目的とする。

(2) 研究計画

 平成16 年度から3 年間にわたり,@先進諸国等における国際人口移動と移動者の社会的統合・社会保障制度利用(医療・労働保険,年金等)についての実態・政策に関する資料収集と分析,A先進諸国等における国際人口移動政策と社会保障政策の連携に関する資料収集と分析,B以上を踏まえた,わが国における国際人口移動と移動者の社会的統合・社会保障制度利用についての実態・政策,国際人口移動政策と社会保障政策との連携に関する比較分析と政策的含意導出の三つを目的として実施する。
 最終年度である平成18 年度は,資料収集・分析・研究会を継続し,外国人研修生制度・技能実習生制度の実態に関する企業を対象としたヒアリング調査を実施した。また,昨年度調査した欧州諸国の「外国人共通データベース」の状況を考慮し,新たな制度設計のあり方を検討した。実証分析では,2000 年国勢調査,2003 年台湾「外籍與大陸配偶生活状況調査」,JGSS(日本版総合的社会調査),ESS(欧州社会調査)の個票の比較分析を行った。更に「磐田市外国人実態調査」(2005 年)の詳細な分析を行った。

(3) 研究実施状況

・研究会
第1 回 平成18 年6 月12 日
「ヒアリング調査の調査項目案と予定に関する話し合い」
第2 回 平成18 年7 月21 日
岩村正彦「外国人労働者と公的医療・公的年金」
山川隆一「外国人労働者をめぐる労働法上の問題点と法の実現手法」
志甫 啓「日系ブラジル人と社会保険適用― 2005 年度磐田市外国人市民実態調査を用いた考察」
第3 回 平成19 年3 月6 日
平峰恵利花「外国人(ブラジル人)市民による日本への希望― 2005 年度磐田市外国人市民実態調査を用いた分析―」
志甫 啓「日系ブラジル人の社会保険加入の規定要因」
井口 泰「外国人政策の改革の方向性と社会保障加入等のための基盤整備」
服部 淳「日系グローバル企業ヒアリング調査の結果」

(4) 研究組織の構成

主任研究者
千年よしみ(国際関係部第1 室長)
分担研究者
小島 宏(国際関係部長),勝又幸子(企画部第3 室長),
井口 泰(関西学院大学経済学部教授)
研究協力者
島崎謙治(政策研究調整官),岩村正彦(東京大学大学院法学政治学研究科教授),
山川隆一(慶應義塾大学大学院法務研究科教授),
西村 淳(環境省廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室長),
竹ノ下弘久(静岡大学人文学部助教授),
西野史子(一橋大学大学院社会学研究科講師),
志甫 啓(関西学院大学大学院経済学研究科研究員),
平峰恵利花(早稲田大学大学院人間科学研究科院生),
服部 淳(関西学院大学大学院経済学研究科院生),
中出祥二(関西学院大学大学院経済学研究科院生)

(5) 研究成果の公表

 本年度の研究成果は,平成18 年度総括研究報告書としてとりまとめたほか,以下のものがある。

・論文発表
小島 宏「国際人口移動に関する世論と移民の社会的統合―ヨーロッパの経験」吉田良生・河野稠果編『国際人口移動の新時代』原書房,pp.79-104(2006 年5 月)
小島 宏「国際結婚夫婦の家族形成行動―日本と台湾の比較分析―」『経済学論纂』第47 巻第3・4 号,pp.175-196(2007 年3 月)
井口 泰「外国人労働者と多文化共生―外国人政策の転換に向けて」『自治フォーラム』pp.4-9(2006 年6 月)





14 日本の社会保障制度における社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)効果の研究(平成16〜18年度)

(1) 研究目的

 本研究は,我が国において「社会的排除と包摂(ソーシャル・インクルージョン)」概念を確立し,社会保障制度の企画立案に係る政策評価指標として活用する可能性を探ることを目的としている。研究では(1)諸外国の経験を資料・文献・データから複眼的に捉えて整理するとともに,(2)我が国の社会保障制度の機能を「社会的包摂」の観点から評価し,政策提言を行うものである。具体的には以下の作業を行った。
  1. 日本における社会的排除指標の作成

     欧米における既存研究を参考としながら「社会的包摂−排除」の概念を明らかにし,日本の実状に合った社会的排除の指標を作成する。また,作成された指標を基に,質問紙を設計し,大規模調査を行い,社会的排除と所得・世帯属性・個人属性・ライフヒストリーなどとの関連を分析する。

  2. 社会保障制度による,社会的包摂効果の計測

     既存の大規模統計調査を用いて,社会から排除されていると思われる人々(貧困者,失業者,不安定就労者,障害者など)の状況を定量的に分析する。分析では経済状況を中心に分析するとともに,上記@で作成された社会的排除指標に沿った分析も行う。同時に,公的年金や公的医療保険,生活保護,児童扶養手当等の社会保障制度がこれらの人々に与えている効果(経済的効果だけでなくこれらの人々の主観的満足度等を含む)を計測する。

  3. 被排除者をめぐる社会的包摂の分析

     近年蓄積が進んでいる,排除されていると考えられる者(母子世帯・ホームレス等)の社会的包摂の過程を理論・実証の両面から再検討する。

(2) 研究計画・実施状況

 平成18 年度は,@平成17 年度,平成18 年度に行われた『社会生活に関する実態調査』の分析,A『所得再分配調査』などを用いた貧困・所得格差の研究,および,B『母子世帯の生活の変化調査』の実施と分析が行われた。
 @の研究成果として以下の知見が得られた。まず,社会生活に関する実態調査に含められたさまざまな社会的排除を示す項目について満たされてない状態である人々が少なからず存在することがわかった。その割合の幅は広く,1% 未満から数10% となっている。一番,欠如率が低い項目は,耐久財(テレビ,冷蔵庫,ステレオ等)であり,その率はOECD 平均と比較しても少なく,日本社会が物品的に豊かであることを表している。
 また,医療へのアクセスの度合いも高く(必要な時に経済的な理由で医者にかかることができない=2.2%)であり,OECD 平均(10%)を大きく下回っており,日本の医療制度の成果が感じられる。逆に,排除(欠如)率が高い項目は,ボランティア,町内会・PTA など「社会活動」,人とのコミュニケーションなどの「社会関係」分野であった。属性別に被排除者をみると,社会的排除のリスクが高い属性として,男性,50 歳代,単身男性,仕事がない人々(主婦と退職者を除く)である。彼らは,特に社会関係や社会参加が希薄であり,場合によっては,基本ニーズや物質的剥奪などの次元においても欠如・剥奪状態にある。また,ライフコースにおける様々な過去の不利が,現在の社会的排除に結びつく可能性が高いことである。過去の不利とは,解雇経験,離婚経験,病気・怪我の経験などであるが,15 歳時の経済状況という極めて人生の初期の段階における不利も現在の社会的排除に影響している。第三に,低所得であることは,社会的排除のメルクマールとしては機能しないことである。第一の知見で発見された潜在的な被排除者は,必ずしも所得ベースで貧困であるわけではない。また,第二の知見で言及する様々な過去の不利は,必ずしも現在の低所得に結びついているわけではない。
 Aの研究成果としては,第1 に,税や社会保障制度の再分配効果は,高齢層では高いものの,現役層では小幅にとどまっていること,とくに税の再分配効果は,高齢層で大幅に低下している上に,稼働所得の高い中年層でも低下していること,第2 に,共稼ぎの増加が所得格差を拡大しているという指摘がされることがあるが,世帯全体ベースでは,高齢化によって共稼ぎが可能な年齢層のシェアは減少しており,大きな影響を及ぼしていないこと,第3 に,子どもの貧困率が上昇しており,最近時点では子どもは高齢者と同程度の貧困リスクにさらされていることが確認された。
 Bにおいては,平成18 年8 〜 9 月において『母子世帯の生活の変化調査』を実施し,以下の知見が得られた。まず,母子世帯の母親の勤労所得は,雇用形態や勤続年数(i.e. 勤続年数が加算されるような職場か)によって左右される部分が大きく,「母子世帯となってからの期間」による影響は,年数をおうごとに徐々に増加していくことは確認できたものの,これが説明する所得の変動部分は少ない。すなわち,母子世帯の母親の勤労所得を引き上げるためには,パートから正社員に変更するなど雇用形態を改善する必要があり,それをなくしては勤労所得の上昇は望めない。また,母子世帯の半数は母子世帯となってからの期間が長くとも生活が苦しくなったと答えており,これは所得の増加が子どもにかかる費用などの支出の増加に追いついていないからである。

(3) 研究会等の開催状況

  1. 日本における社会的排除指標の作成

     平成18 年度は,平成17 年度に行われた『社会生活に関する実態調査』(配布数1,600,回収数486)および平成18 年4 月に行われた補完調査(配布数400,回収数98)の分析を行った。分析の結果は,平成18年12 月に行われたワークショップにて報告され,有識者を交えた意見交換がなされた。有識者による意見・コメントを反映した上で,各分担研究者がさらなる分析・修正を加え,平成19 年3 月に最終原稿が確定された。

     平成18 年4 〜 5 月 『社会生活に関する実態調査(補完調査)』の実施
     平成18 年6 〜 11 月 各分担研究者による分析
     平成18 年12 月8 日,11 日 ワークショップ

  2. 既存の社会保障制度による,社会的包摂効果の計測

     厚生労働省「所得再分配調査」の個票を使用し,ジニ係数や貧困率などの指標を使用した所得格差・貧困の現状と推移,上昇の要因分析,社会保障制度がこれらに及ぼす影響を分析した。また,ヨーロッパ連合(EU)の社会的排除指標の定義を用いて,日本における社会的排除のレベルをEU 主要国と比較した。

  3. 被排除者をめぐる既存の定性調査結果の再検討

     本年度は,被排除者の典型例として母子世帯を研究の対象とし,母子世帯の母親に対する調査票による定量的調査を行った。母子世帯への直接のコンタクトは難しいため,当事者団体8 団体から協力を得て,約2 千通の調査票が配布され,470 通が回収された。この結果は,2 回にわたる報告会によって当事者団体,当事者,自治体関係者,および厚生労働省担当課などにフィードバックされた。

     平成18 年4 〜 6 月 母子世帯の当事者団体へのコンタクト,協力依頼
     平成18 年8 月下旬〜 9 月 「母子世帯の生活の変化調査」実施
     平成18 年11 月27 日 第一回報告会(東京)
     平成18 年12 月1 日 第二回報告会(大阪)

(4) 研究組織の構成

主任研究者
阿部 彩(国際関係部第2 室長)
分担研究者
西村幸満(社会保障応用分析研究部第2 室長),菊地英明(社会保障基礎理論研究部研究員),
大石亜希子(千葉大学法経学部助教授),
後藤玲子(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)
研究協力者
稲田七海(客員研究員)

(5) 研究結果の公表

 研究結果の一部は,平成19 年6 月に『季刊社会保障研究』Vol. 43 No. 1 に公表された。また,他の研究成果の一部については,厚生労働省,関係団体などに配布されている。




15 税制と社会保障に関する研究(平成17〜18年度)

(1) 研究目的

 平成19 年度を目処に税制の抜本的改革が予定されている中,平成17 年度税制改正の答申にあるように,経済社会の構造変化を踏まえて税・社会保障負担のあり方を検討する必要性がある。したがって,本研究は,消費税等の税と社会保険料の転嫁・帰着,国民負担率と経済活動の関係,税と保険料の役割分担,家族政策における手当と税制の関係等に関する実証分析と制度分析を行い,これらの成果を合わせて税制と社会保障の望ましい在り方について研究することを目的とする。

(2) 研究計画

 平成18 年度は,マクロ的な視点から,社会保障財源と経済成長率との関係,基礎年金と完全比例年金の比較,市町村合併による福祉費用等への影響を分析し,「賃金構造基本調査」の公表データを利用して賃金・雇用に対する帰着の実証分析を行った。とくに,消費税と社会保険料それぞれの変化に対する転嫁と帰着については,中小企業に対するアンケート調査を実施した。また,社会保障における税財源の必要性と効果を分析するために,高齢者福祉と障害者福祉の税財源の費用便益分析と国民負担率と日本経済との関連性に関する考察を行った。さらに,高齢者福祉と障害者福祉における税財源の活用の根拠を費用便益分析により検討した。
 また,制度分析では,社会保険料の事業主負担の性格について文献研究とヒアリングを進めた。論点としては,事業主負担は利益享受説を基本とし利益享受者の参画による制度の安定的・効率的運営に正当性を見出せるが,健康保険法上事業主負担は賃金ではないとされるが,会計上や税法上は労務費として捉えられているか,また法律上の規範性が会計制度等において貫徹されているかどうかなどを取り上げ分析し,上記の転嫁と帰着の実証分析も参考にしながら制度論的分析を拡張していくことの必要性を検討した。また,制度分析における比較研究については,OECD 諸国の社会保険料・税制の動向を社会保障改革と関係づけて分析し,児童扶養控除,家族手当,払戻型児童税額控除,非払戻型児童税額控除の諸制度を経験した後で,払戻型の税額控除に一本化したカナダ連邦児童給付制度の変遷を分析し,我が国で注目されている児童手当と税制との関係について考察した。
 なお,研究に漏れがないかどうか等について,主要な論点を中心に,宮島洋教授(早稲田大学)や小西砂千夫教授(関西学院大学)などの所外の有識者からアドバイスを受けながら,研究を行った。

(3) 研究実施状況

・研究会等
第1 回 平成18 年5 月13 日
所内研究交流会
第2 回 平成18 年10 月31 日
ローラント・アイゼン(フランクフルト大学教授/労働市場研究センター所長)
第3 回 平成18 年11 月1 日 外国研究者招聘事業研究報告(於 第11 回厚生政策セミナー)
デービッド・ワイズ(ハーバード大学ケネディ行政大学院教授)
第4 回 平成19 年1 月29 日
ソンマン・クウォン(韓国ソウル大学公衆衛生学部(医療経済)教授)
第5 回 平成19 年2 月22 日 研究成果報告会
主任研究者および分担研究者

(4) 研究組織の構成

主任研究者
金子能宏(社会保障応用分析研究部長)
分担研究者
島崎謙治(政策研究調整官),
本田達郎(企画部長(〜平成18 年11 月),医療経済研究機構研究主幹(平成18 年12 月〜)),
米山正敏(企画部第1 室長),山本克也(社会保障基礎理論研究部第4 室長),
尾澤 恵(社会保障応用分析研究部研究員),酒井 正(企画部研究員),
漆原克文(川崎医療福祉大学医療福祉学部教授),加藤久和(明治大学政治経済学部教授),
佐藤雅代(北海道大学公共政策大学院特任助教授),宮里尚三(日本大学経済学部専任講師)
研究協力者
京極宣(所長),東 修司(企画部長,平成18 年12 月〜),
宮島 洋(早稲田大学法科大学院教授),小西砂千夫(関西学院大学経済学部教授),
山重慎二(一橋大学大学院経済学研究科助教授),
横山由紀子(兵庫県立大学経営学部専任講師),? 豊(青山学院大学法学部助教授),
小島克久(日本社会事業大学社会事業研究所派遣研究員)

(5) 研究成果の公表

・刊行物
酒井 正「社会保険の事業主負担が企業の雇用戦略に及ぼす様々な影響」『季刊社会保障研究』Vol. 42 No.3,pp.235-248(2006 年12 月)
酒井 正, 2006 年「介護保険制度の帰着分析」(共)風神佐知子『医療と社会』Vol. 16 No.3,pp.285-301(2006 年)
・学会発表等
酒井 正「介護保険制度の帰着分析」(風神佐知子との共同報告)法と経済学会第4 回全国大会,政策研究大学院大学(2006 年7 月22 日)
金子能宏「消費税の価格転嫁に関する実証分析」第63 回日本財政学会,近畿大学(2006 年10 月)





16 国際比較パネル調査による少子社会の要因と政策的対応に関する総合的研究(平成17 〜 19 年度)

(1) 研究目的

 本研究は,平成14 年度から16 年度まで3 年間実施してきた「「世代とジェンダー」の視点からみた少子高齢社会に関する国際比較研究」プロジェクトを踏まえた上で,新たにパネル調査の実施や政策効果に関する研究を行う総合的研究を企図したものである。日本を含む国際比較可能なマクロ・ミクロ両データの分析に基づいて,結婚・同棲などを含む男女のパートナー関係,子育て関係などの先進国間の共通性と日本的特徴を把握し,これによって,日本における未婚化・少子化の要因分析と政策提言に資することを目的とする。

(2) 研究方法・実施状況

 日本では少子化の急速な進行にともない,年金や医療といった社会保障制度の根幹が揺るぎつつあり,少子化の背景を明らかにし,実効性のある少子化対策を行うことが重要な政策課題となっている。少子化は程度の差こそあれ先進諸国で共通して見られる現象であり,各国とも少子化対策を実施しており,他の先進国との比較は日本の少子化対策を考える上で有益である。また,日本をはじめとする先進諸国における少子化は家族の変化(世代関係・ジェンダー関係)と密接に関連しており,社会経済に加え家族のあり方の変化という視点からも,少子化問題を考える必要がある。現在,先進諸国の少子化の要因と政策的対応を国際比較するために,「結婚と家族に関する国際比較研究会」を組織し,国連ヨーロッパ経済委員会(UNECE)人口部が企画・実施している国際研究プロジェクト「世代とジェンダー・プロジェクト(GGP)」に参加している。本プロジェクトは,国連人口部が企画したこの国際共同プロジェクトの中核部分であるパネル調査(「世代とジェンダーに関するパネル調査(GGS)」)を日本でも実施し,そこから得られる少子化のミクロ的側面に関するパネル・データと雇用・労働政策や家族・子育て支援政策といった少子化のマクロ的側面に関するコンテキスト・データを連結させて因果関係を分析する新手法によって,未婚化や晩婚化といったパートナー形成(ジェンダー関係)と少子化(次世代育成・世代関係)の日本的特徴を明らかにし,これと諸政策との関連を他の先進国との比較を通じて検討する。この方法により,先進国との比較という広い視野から,日本における未婚化・少子分析と少子化対策についての政策提言を行うことを目標とする。
 本研究は,個人を単位とした調査の実施・分析(ミクロ・データ)と各国の法制度改革時期や行政統計データを含むマクロ・データ・ベースの構築という,大きな2 つの柱からなる。前者のミクロ・データについてはドイツのマックスプランク人口研究所が中心となり質問検討委員会が構成され,比較可能な共通のフレームで実査を行う。後者は,フランス国立人口研究所が中心となってデータ・ベース委員会が構成され,マクロ・データに関する基本方針が決定される。これら2 つの委員会の方針に従って,各参加国は調査実施とマクロ・データの提供を行う。さらに,ミクロ班で設定されたテーマのもと,ミクロ・データ,マクロ・データを用いて多層的な国際比較研究を行う。平成18 年度の研究経過はおもに以下の通りである(プロジェクト2 年度目)。
 第一に,国連ヨーロッパ経済委員会が2007 年1 月にスロベニアの首都リュブリャナで開催したGGP の国際会議に出席した。この会議で,過去一年間の日本のGGP 研究プロジェクトの進捗状況と今後の研究予定について報告を行った。さらに,この会議では第二回目のパネル調査の調査票,調査実施プロセスなどについて参加各国と議論した。また,GGP の重要な要素の一つであるコンテクチュアル・データについても収集する変数の種類や期間について,日本の状況を説明しながら意見交換を行った。
第二に,日本の第二回目のパネル調査の調査票を作成し,調査を実施した。調査票作成については,予備調査調査票の検討,調査回答者,調査員へのヒアリング調査を踏まえて作成した。とくに質問文のわかりにくさ,回答のしづらさを軽減するための改善,修正を行い最終調査票を確定した。実査については,本年度は予算の関係上,調査対象年齢を第一回調査では18 歳から70 歳までとしたが,第二回調査では第一回調査で回収できたサンプルのうち対象年齢を49 歳までとした。また,調査対象年齢を縮小したのと同じ予算上の理由で,調査は東日本地域と西日本地域に分けて実施することとした。本年度は東日本地域で実査を行った。
 第三に,GGP マクロ・データ・ベース委員会が提示した共通フレームに基づき,日本のコンテクチュアル・データの収集とデータ・ベースの構築を行った。コンテクチュアル・データは人口,賃金,雇用,年金,医療,育児支援,住宅,福祉政策など個人の結婚や出産に係わる広範囲にわたる指標を国際比較可能な形で収集することを目標としている。また,コンテクチュアル・データは(1)ナショナル・レベル,(2)地域レベル,(3)政策関連の三つのカテゴリーから構成されるが,本年度は労働・雇用,失業,税制などの分野のナショナル・レベル,地域レベルのデータ整備を中心に行った。
 第四に,日本とヨーロッパ諸国のミクロ・データを用い国際比較分析を行った。主に日本と同様に超低出生率国であるイタリアとの比較分析を行った。とくに,結婚と家族形成,既婚者の仕事と家庭の両立,若者の就業・自立などについて,日本とイタリアにどのような類似点,あるいは相違点が見られ,そこからどのような政策的インプリケーションが導き出せるかを検討した。プロジェクトの成果は,「人口問題研究」等に公表した。

(3) 研究者の組織

主任研究者
西岡八郎(人口構造研究部長)
分担研究者
福田亘孝(人口構造研究部第1 室長),阿藤 誠(早稲田大学人間科学学術院特任教授),
津谷典子(慶應義塾大学経済学部教授)
研究協力者
菅 桂太(客員研究員),岩間暁子(和光大学人間関係学部助教授),
田渕六郎(名古屋大学大学院環境学研究科助教授),
吉田千鶴(関東学院大学経済学部助教授),星 敦士(甲南大学文学部講師)





17 少子化関連施策の効果と出生率の見通しに関する研究(平成17 〜 19 年度)

(1) 研究目的

 我が国の近年の出生率低下が,晩婚化・未婚化だけでなく,1960 年代以降に生まれた世代の夫婦出生力低下によっても引き起こされていることが明らかになった。この出生率低下に現れた夫婦の生む子ども数の減少は,今後の日本人口の減少とその経済・社会保障分野に対して極めて強い影響を及ぼすことが懸念されている。
 政府は,平成14 年9 月に「少子化対策プラスワン」を公表し少子化対策をより一層強化することを明らかにした。その後,平成15 年に「次世代育成支援対策推進法」や「少子化社会対策基本法」が立法化され,平成16 年に政府は「少子化社会対策大綱」を閣議決定し,従来の「子育て支援」政策から「出生率上昇」政策へとより積極的に少子化問題への取り組みを始めてきている。また,平成18 年6 月に少子化社会対策会議は新たな少子化対策の推進を掲げて,平成17 年から実施している「子ども・子育て応援プラン」の着実な実施とともに「子どもの成長に応じた子育て支援策」と「働き方の改革」を推進するとしている。
 一方で,こうした少子化対策については,その政策効果の評価を通じて,より一層効果的な施策の展開が求められている。したがって,国・地方自治体・民間企業の様々な段階で取り組まれている少子化対策について,その及ぼす影響・効果を科学的な実証研究により明らかにする必要がある。

(2) 研究計画

 本研究事業では,少子化関連施策の効果を人口学,社会学,経済学などの見地から評価研究を行い,今後の少子化対策のあり方について施策提言をすることを目的として以下の3 つのテーマから研究を実施した。
  1. 少子化対策変数が出生率におよぼす影響評価の研究

     マクロ計量経済モデルにより,少子化対策要因ならびに家族・労働政策要因である,保育需要に対する施策の拡大,女性就業の制約条件の改善による育児コストの低減等の施策を通じ出生率にどのような効果を及ぼすかを測定評価する。
     平成17 年度は,基本モデルを開発し,政策効果測定の手法を確立する。あわせて,女性就業にともなう機会費用の発生や税収におよぼす影響等の評価結果を提示する。平成18 年度においては,政策効果の測定とともに影響の評価に発展させる。

  2. 地方自治体の少子化対策に関する効果研究

     自治体において取り組まれる少子化対策や地域の様々な環境条件との組み合わせで,自治体単位の出生率がどのように変化し,地域的差異を生じているのかを分析し,少子化対策の効果を評価してそのあり方を提言する。
     平成17 年度の研究では,1990 年から2000 年の地域出生率の分析を主眼に行ったが,平成18 年度においては2005 年国勢調査の結果を受け,施策展開後の自治体の出生率の規定要因を検証した。

  3. 少子化の見通しならびに少子化対策に関する有識者調査

     有識者の少子化対策に対する評価ならびに少子化の見通しに関する意見をデルファイ調査によって把握し,少子化対策改善のための基礎資料を得た。このデータは,将来人口推計(平成18 年12 月推計)に寄与するための基礎資料として活用する。
     平成17 年度は,調査票設計と第一回調査を実施・分析し,平成18 年度に第二回調査を実施した。

(3) 研究実施状況

以下に掲げる研究課題別に研究会を開催し,平成18 年度研究成果をとりまとめた。
  1. マクロ・モデルによる少子化対策要因の出生率に及ぼす影響に関する研究

     1)女性の就業形態を軸としたモデルに基づく少子化対策効果の分析
     2)有配偶女子労働力率の変化と結婚・出産の機会費用:マクロデータによる試算

  2. 社会経済分析による少子化対策要因の出生率に及ぼす影響に関する研究

     1)Birth control と妻の結婚後・出産後の就業行動の関連
     2)不妊治療支援についての一考察:家族属性の視点から
     3)コーホート分析による3 効果の推定について
     4)結婚・出産タイミングの規定要因分析
     5)育児休業制度が女性労働者雇用に与える影響の分析

  3. 地方自治体の少子化対策に関する効果研究

     1)都道府県別にみた出生率変化の要因分析
     2)若い夫婦における出生意欲の変化の要因分析,少子化に関する6 自治体調査の比較を通して
     3)保育負担感と保育ニーズの研究

  4. 少子化の見通しに関する有識者デルファイ調査
(4) 研究組織の構成
主任研究者
高橋重郷(副所長)
分担研究者
佐々井 司(人口動向研究部第1 室長),守泉理恵(同部研究員),
安藏伸治(明治大学政治経済学部教授),中嶋和夫(岡山県立大学保健福祉学部教授)
研究協力者
別府志海(情報調査分析部研究員),北林三就(人口動向研究部主任研究官),
大淵 寛(中央大学経済学部教授),永瀬伸子(お茶の水女子大学大学院教授),
和田光平(中央大学経済学部教授),大石亜希子(千葉大学法経学部助教授),
仙田幸子(千葉経済大学経済学部助教授),加藤久和(明治大学政治経済学部教授),
増田幹人(東洋大学非常勤講師),君島菜菜(大正大学非常勤講師),
新谷由里子(武蔵野大学非常勤講師),福田節也(明治大学大学院政治経済学部専任助手),
鎌田健司(明治大学政治経済学部助手),渡辺祐紀(一橋大学大学院生)





18 将来人口推計の手法と仮定に関する総合的研究(平成17 〜 19 年度)

(1) 研究目的

 少子高齢化が進み人口減少が始まった現在,社会経済施策立案に不可欠な将来推計人口の重要性はかつてない高まりを見せている。しかしながら,前例のない少子化,長寿化は人口動態の見通しをきわめて困難なものとしている。本研究では,こうした中で社会的な要請に応え得る科学的な将来推計の在り方を再検討し,手法および人口の実態の把握と見通しの策定(仮定設定)の両面から将来人口推計について総合的に研究することを目的とする。

(2) 研究計画

 本研究においては,第一に人口推計手法の枠組みとして従来から最も広く用いられているコーホート要因法の再検討を行い,新たな手法としての確率推計手法やシミュレーション技法等の有効性を検討する。第二に人口動態率(出生率,死亡率および移動率)の将来推計に関する先端的な手法について国際的な議論を踏まえ,推計手法および将来の動向に関する理論について,従来の方法・理論との比較,有効性と限界の検証等を行う。第三に人口状況の実態の測定と分析,出生,死亡,国際人口移動の見通し策定に関する科学的方法論について検討し,わが国ならびに諸外国の人口状況と動向の国際的,横断的把握,データ集積およびデータベース化を行い,上記において開発されたモデル,手法を適用することにより,人口動態率の今後の見通しに関する把握と提言を行う。

(3) 研究実施状況

 本研究においては,第一に公的将来推計人口策定の理論・モデル・手法の枠組みの再検討を行った。すなわち,コーホート要因法の再検討をおこない,これに代わる,あるいはこれを補全する新たな手法としてとくに確率推計手法の有効性を検討した。本研究では,こうした手法を詳細に検討し,わが国公的推計への適用可能性を検証し,有効性の確認された方法について,適用の際の技術的課題について検討し,実際の導入・開発作業を行った。具体的には,推計の枠組みについて,わが国の出生における女性の国籍別の行動の違い等の構造的影響について評価を行い,これを反映する枠組みを開発して応用が成された。
 第二に人口動態率(出生率,死亡率および移動率)の将来推計に関する先端的な手法について,国際的な議論を踏まえ,従来の方法との比較・検討が行われ,公的な推計システムに対して,いくつかの新たな機構が導入された。これらは,たとえば従来の死亡年齢パターンのリレーショナル・モデル(relational model)を時系列分析法(time series analysis)と融合させた将来推計手法(Lee-Carter method)をわが国のような先端的死亡傾向を示す国に適合させるよう,さらに発展させたモデルの導入などが挙げられる。また,わが国の現状分析により新たに取り入れた手法としては,出生力に関して,今後変動が見込まれる離死別ならびに再婚の効果を可変的変数として取り込み,仮定値に加えたことなどが挙げられる。
 第三に,人口状況の実態の測定と分析,出生,死亡,国際人口移動の見通し策定に関する科学的方法論について検討し,わが国ならびに諸外国の人口状況と動向の国際的,横断的把握,データ集積およびデータベース化を行った。とくにわが国における夫婦出生力に関する唯一の公的な時系列調査である出生動向基本調査,夫婦調査ならびに独身者調査による調査データの詳細な分析により,わが国の結婚・出生の現状に関する詳細なデータの取得,ならびに分析研究を行った。また,それら結果を人口動態率の見通し策定に関する数理モデルの研究,ならびに理論研究に投入して検討することによって,人口動態率の見通しに関する仮定設定に関する研究を行った。

(4) 研究組織の構成

主任研究者
金子隆一(人口動向研究部長)
分担研究者
石井 太(企画部第4 室長),岩澤美帆(人口動向研究部主任研究官)
研究協力者
石川 晃(情報調査分析部第2 室長),佐々井 司(人口動向研究部第1 室長),
三田房美(企画部主任研究官),守泉理恵(人口動向研究部研究員),
国友直人(東京大学経済学部教授),稲葉 寿(東京大学理学部助教授),
堀内四郎(ロックフェラー大学準教授),大崎敬子(国連アジア太平洋経済社会委員会委員),
エヴァ・フラシャック(ワルシャワ経済大学教授),
スリパッド・タルジャパルカ(スタンフォード大学教授)





19 男女労働者の働き方が東アジアの低出生力に与えた影響に関する国際比較研究(平成18 〜 20 年度)

(1) 研究目的

 2000 年代に入って東アジアの高度経済国・地域は急激な出生率低下を経験し,2004 年の合計出生率は日本が1.29,韓国が1.16,台湾が1.18 となった。このうち韓国・台湾の出生率は,ヨーロッパでも匹敵する国が稀なほど極端に低い水準である。このような低出生率の重要な決定因として,男女労働者の働き方の影響を分析する。たとえば欧米に比べ長い労働時間は,男性の家事・育児参加を阻害し,伝統的性役割意識を保存する方向に作用しているものと思われる。日本の長期不況や韓国の経済危機は,多くの若年労働者の経済的自立を挫折させ,また家計の将来に対する不安感を増幅し,結婚・出産意欲を減退させたと推測される。出産・育児休暇,家族看護休暇,フレックスタイム制度等のファミリーフレンドリー施策の導入の遅れも,東アジアの出生率低下を加速させたと考えられる。良質な保育サービス供給の不足も,妻の就業と出産・育児の両立を阻害し,やはり少子化をもたらしたと思われる。本研究は,こうした働き方に関する諸要因が東アジアの出生率低下に与えた影響を分析する。

(2) 研究計画・実施状況

 本研究では,働き方に関する諸要因が出生率に与える影響を,文献研究および専門家インタビュー,マクロ・データ分析,マイクロ・データ分析の各段階を踏んで分析を進める。そのような分析を通じて,労働時間や勤務形態のフレキシビリティー,家庭内分業の実態,若年労働者の経済的自立度の将来の見通し,企業のファミリーフレンドリー施策の導入努力,地域の保育サービス供給の量といった諸側面が,どのように結婚率・出生率に影響するかを定量的に調べることを目的とする。それぞれの側面における改善がどの程度の出生促進効果を持つかの見極めを通じて,政策の優先順位等に関わる政策提言が得られる。現在まであまりはかばかしい成果が得られていない日本の出生促進策を考える上でも,日本より急激に出生率が低下している韓国・台湾との比較研究は不可欠である。
 本研究は,こうした働き方に関する諸要因が東アジアの出生率低下に与えた影響を,文献研究および専門家インタビュー,マクロ・データ分析,マイクロ・データ分析の各段階を踏んで分析する。第1 年目の平成18年度は文献研究および専門家インタビューを中心に実施し,韓国については同年に発表された政府の「低出産・高齢化対策基本計画」(セロマジ・プラン)について分析し,また翻訳を研究報告書に含めた。

・研究会等
第1 回 平成18 年8 月4 日 
今年度研究計画,韓国の低出産対策(セロマジ・プラン)の概要
第2 回 平成19 年2 月23 日 
進捗状況,韓国の『2003 年全国出産力調査』データの構造について

(3) 研究組織の構成

主任研究者
鈴木 透(国際関係部第3 室長)
分担研究者
小島 宏(国際関係部長),伊藤正一(関西学院大学教授)

(4) 研究結果の公表

 本年度の研究成果は,平成18 年度総括研究報告書として取りまとめた。各研究者が発表した成果は以下の 通りである。

 Suzuki, Toru, “On the Difference between TFR and Parity Progression Measure of Fertility,” The Japanese Journal of Population, Vol. 5, No. 1, pp. 12-18, 2007.
 Suzuki, Toru, “Causes of Lowest-Low Fertility and Ineffectiveness of Governmental Interventions in Japan and Korea,” Paper prepared for International Seminar at Korea Institute for Health and Social Affairs, 2006.
 鈴木 透「出生力の指標理論」第79 回日本社会学会大会,立命館大学,2006 年10 月28 日
 Kojima, Hiroshi, “Recent Developments in Family and International Migration Policies in Japan: Population Policy Implication for the Republic of Korea,” Paper prepared for International Seminar at Korea Institute for Health and Social Affairs, 2006.
 伊藤正一「中国の人口移動― 1990 年代後半を中心に」,大阪学院大学『経済論集』第20 巻第1・2 号,2006 年6 月






20 社会保障の制度横断的な機能評価に関するシミュレーション分析(平成18 〜 20 年度)

(1) 研究目的

 社会保障制度をとりまく環境は過去40 年間で大きく変化した。今日では,少子高齢化や雇用構造の変化が進む中で社会保障制度の持続可能性を高めることが緊急の課題となっている。家族の生活保障機能は年々低下し,国際競争にさらされている企業は生き残りのためにコスト削減に努め,職域福祉の役割も変化せざるを得ない。こうした状況の中で社会保障制度の再構築に必要なのは現行制度の単なるスリム化ではなく,合理化である。本研究は,@制度横断的に社会保障の機能を分析し,家族形態や就労形態の変化に対応した社会保障の機能を考察するとともに,Aシミュレーション分析を通じて,政策の選択肢が社会保障の機能に与える影響を評価することを目的としている。

(2) 研究計画

 1 年目である平成18 年度は,(1)社会保障の機能に関する研究として,先進各国との比較を通じて,社会保障の各種機能について,個別制度ごとに検討を行うと同時に,制度横断的な検討を行った。また,介護保険導入前後の介護を理由とする離職の動向や,有配偶女性の就業とそれによる所得が家計所得の分配に与える影響についての統計分析を行った。また,(2)社会保障の機能に関するシミュレーション分析として,給付算定方法の違いが再分配所得に与える影響,年金支給開始年齢の引上げが労働供給や厚生に与える影響,介護リスクに対して介護保険と基礎年金が果たしている機能,非正規雇用の拡大が所得格差に与える影響といったことに関するシミュレーション分析を行った。そして,この制度の持続条件・安定条件を割り出すための項目とその選択肢の案を作成・改善した。

(3) 研究実施状況

・研究会等
第1 回 平成18 年4 月21 日
「社会保障と所得分配」に関するワークショップ
第2 回 平成18 年6 月20 日
野口晴子(東洋英和女学院大学助教授)
「持続可能な新しい公共モデルに関する調査研究―保育サービス市場に関する定量的経済分析の結果から―」
第3 回 平成18 年8 月10 日
脇坂 明(学習院大学経済学部教授)「WLB(ワークライフバランス)と企業業績」
第4 回 平成18 年9 月7 日
石井加代子(日本学術振興会特別研究員)「年金制度改正と高齢者の労働供給行動」
第5 回 平成18 年10 月25 日
所内研究会(平成18 年度研究の進捗状況について報告)
第6 回 平成19 年2 月2 日
所内研究会(制度の持続条件・安定条件に関する調査項目の検討)
第7 回 平成19 年2 月13 日
所内研究会(制度の持続条件・安定条件に関する調査項目の検討)
第8 回 平成19 年3 月26 日
「所得格差と所得分配」に関するワークショップ

(4) 研究組織の構成

主任研究者
府川哲夫(社会保障基礎理論研究部長)
分担研究者
山本克也(社会保障基礎理論研究部第4 室長),佐藤 格(同部研究員),
酒井 正(企画部研究員)
研究協力者
菊池 潤(客員研究員)

(5) 研究成果の公表

 本事業の研究成果の一部は『海外社会保障研究』第157 号に発表した。また,本年度の研究成果として,総 括・分担研究報告書をとりまとめた。




(長寿科学総合研究事業)

21 介護予防の効果評価とその実効性を高めるための地域包括ケアシステムの在り方に関する実証研究(平成18 〜 19 年度)

(1) 研究目的

 本研究は,@全国データに基づくケアマネジメントの現状分析(介護保険制度改正前との比較を含む),Aパネル・データ(生活機能/介護/医療/健診に関する包括的データ)に基づく介護予防の総合的効果評価,B効果的な介護予防サービスの在り方の検証,C介護予防の実効性を高めるための地域包括支援センターの在り方の検証,を通じて,今後の地域包括ケアシステムの在り方に関する提言を行うことを目的とする。

(2) 研究計画

 制度改正3 年後の見直しの議論に資するためには,平成19 年度には検証結果をまとめておく必要があるため,本研究は2 年計画とした。初年度である平成18 年度は,1)全国認定・給付データによる要介護度の自然歴の地域差分析,2)モデル地区の包括的パネル・データに基づく高齢者の生活機能や疾病構造などの実態解明,3)運動機能測定を通じた高齢者の歩行パターンや転倒リスク要因の解明,4)摂食機能に応じた食形態の開発と提供効果評価,5)ケアプランの個別事例検討による現在のケアマネジメントの課題の解明,6)住民を巻き込んだ多職種協働のモデル試行による最適な意思決定プロセスの在り方の検証,7)兵庫県但馬地区やカナダオンタリオ州トロント市などの地域ケアの先行事例の検証などを実施した。

(3) 研究実施状況

 平成18 年度は,まず,主任・分担研究者間で,研究方法・内容に関する合意形成を行った上で,それに沿う形で,各分担研究者および研究協力者が,主任研究者と相談しながら研究を進める形とした。また,本年度の研究成果を総括研究会にて報告し,総合討論を行った(平成19 年2 月13 日)。なお,本研究では,データベース構築(全国およびモデル地区)および分析業務が重要な位置づけとなっていることから,データ提供元である厚生労働省や松江市介護保険課と頻繁に打合せを実施した。また,制度改正への示唆を検討するため,モデルとなる地区の活動状況のヒアリング(カナダトロント市ほか)も併せて実施した。

(4) 研究組織の構成

主任研究者
川越雅弘(社会保障応用分析研究部第4 室長)
分担研究者
金子能宏(社会保障応用分析研究部長),府川哲夫(社会保障基礎理論研究部長),
泉田信行(社会保障応用分析研究部第1 室長),
信友浩一(九州大学医学研究院基礎医学部門医療システム学分野教授),
備酒伸彦(神戸学院大学総合リハビリテーション学部助教授),山本大誠(同学部助手)
研究協力者
渡部律子(関西学院大学総合政策学部教授),
津賀一弘(広島大学大学院医歯薬学総合研究科助教授),
鍋島史一(福岡県メディカルセンター保健・医療・福祉研究機構主任研究員),
田中志子(医療法人大誠会介護老人保健施設大誠苑施設長),
黒田留美子(潤和リハビリテーション診療研究所主任研究員),
竹内さをり(兵庫県但馬長寿の郷地域ケア課主任),柏木純子(同技術吏員)

(5) 研究成果の公表

 本研究の成果は,報告書としてとりまとめて厚生労働省に提出するとともに,関係団体および研究者に配布した。なお,平成18 年度の研究成果は以下の通りである。

・刊行物

 (1)川越雅弘「介護予防元年を振り返って」『公衆衛生情報みやぎ』No.362,pp.3-4(2006)
 (2)備酒伸彦,山本大誠,川越雅弘「中高年者と大学生の抱く高齢者像―生涯学習に参加する中高年者と文系大学生を対象とした調査―」『神戸学院総合リハビリテーション研究』Vol.2 No.1,pp.83-90(2007)
 (3) 川越雅弘「介護予防効果評価システムの開発」『総合リハビリテーション』Vol.34 No.11,pp.1027-1033(2006)
 (4)川越雅弘「多様な機能・役割が期待される地域ケアセンター―カナダ・トロント市における視察から―」『週刊社会保障』No.2395,pp.60-61(2006)

・学会発表

 (1)納富祥子,黒田留美子,川越雅弘他「適切な食形態の選択が高齢者の栄養状態等に及ぼす影響について(第1 報)」第12 回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会,236,2006






(障害保健福祉総合研究事業)

22 障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究(平成17 〜 19 年度)

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(1) 研究の目的

 本調査の目的は,社会福祉基礎構造改革の理念である,障害者がその障害の種類や程度,また年齢や世帯状況,地域の違いにかかわらず,個人が人として尊厳をもって地域社会で安心した生活がおくれるようになるために必要な支援はなにか,その支援を続けるためにはどのような制度が必要なのかを検討するための基礎データを得ることである。そして,得られたデータを活用し,経済学や社会学等の多分野の研究者と障害者福祉に関する学際的研究の基盤を構築したい。

(2) 研究計画・実施状況

 前年度に実施した障害者生活実態調査に改良を加えた調査票を使い静岡県富士市において第2 回障害者生活実態調査を実施した。実地調査においては,障害者の生活実態を収入・消費面と生活時間面から明らかにした。  調査は障害者の生活実態を正確に把握するために,インタビュー調査を中心に行われた。調査結果の概要と家計・雇用・生活時間に関する分析は各分担研究者によってまとめられた。
障害者自立支援法施行後の障害者の経済状況に関する調査は,平成18 年4 月に施行された障害者自立支援法の影響を知るために,日本障害者協会に委託して行った。
 その他の研究報告については,次のとおり。障害福祉施策に関する原理的考察では,自立支援法の審議過程を定率負担の導入に至った状況から考察した。知的障害者の定義に関する国際的状況では,米国,ドイツ,フランス,イギリス及びスウェーデンにおいては,共通して,知的障害を法律上単独で定義した例はなかったと結論づけた。しかし,法律以外で,知的障害に着目した定義が置かれている例は存在している。

(3) 研究会等の開催状況

・研究会
第1 回 平成18 年6 月26 日
「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」
第2 回 平成18 年7 月19 日
「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」
第3 回 平成18 年8 月29 日
「障害者の自立・自律と,日本におけるパーソナルサービス,ダイレクトペイメントの可能性」
第4 回 平成18 年9 月28 日
「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」
第5 回 平成19 年3 月26 日
「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」

・実地調査

静岡県富士市において,「第2 回 障害者生活実態調査」実施 平成18 年8 月〜 11 月
社会調査員説明会及びオリエンテーション:
平成18 年8 月12 日(土),13 日(日),19 日(土),20 日(日)各午前午後 
場所 静岡県総合社会福祉会館会議室(静岡市)
調査実施:平成18 年9 月11 日〜 11 月9 日 (1 対象者について2 回訪問)

(4) 研究組織の構成

主任研究者
勝又幸子(企画部第3 室長)
分担研究者
本田達郎(企画部長(〜平成18 年11 月),医療経済研究機構研究主幹(平成18 年12 月〜)),
福島 智(東京大学先端科学技術研究センター助教授),
遠山真世(立教大学コミュニティ福祉学部助手),
圓山里子(特定非営利活動法人自立生活センター新潟調査研究員),
土屋 葉(愛知大学文学部人文社会学科専任講師)
研究協力者 金子能宏(社会保障応用分析研究部長),三澤 了(DPI 日本会議議長),
磯野 博(静岡福祉医療専門学校教員)

(5) 研究結果の公表

・刊行物

平成18 年度総括研究報告書「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」
遠山真世「「障害者生活実態調査」にみる障害者の就業問題」国際経済労働研究Int’lecowk 第61 巻第11・12 号(通巻965 号)pp.25-31,国際経済労働研究所2006 年11 月

・学会発表

勝又幸子・土屋 葉・圓山里子・遠山真世,日本社会福祉学会第54 回全国大会 自主企画シンポジウム 10 障害者の生活実態と自立支援,立教大学新座キャンパス(2006 年10 月8 日)
遠山真世,第14 回職業リハビリテーション研究発表会,第5 分科会:福祉的就労から一般雇用への移行「障害者の就労実態〜稲城市等における調査結果から〜」障害者職業総合センター(2006 年12 月6 日)





(統計情報高度利用総合研究事業)

23 パネル調査(縦断調査)に関する総合的分析システムの開発研究(平成18 〜 19 年度)

(1) 研究目的

 厚生労働省は国民生活に関する諸施策の策定に必要な情報収集のために,政府統計初のパネル調査(21 世紀出生児縦断調査,成年者縦断調査,中高年者縦断調査)を実施し,従来の横断調査とは異なる因果関係に着目した要因の把握を目指している。しかし,パネル調査はデータ管理法や分析方法において横断調査とは異なる。本研究の目的は,パネル型データの有効で実際的な管理法と統計分析手法とを融合したシステムを検討・開発し,21 世紀縦断調査に適用することによって,年々蓄積されるデータを適切に管理し,また有効な分析結果を導くことである。

(2) 研究計画

 本研究は平成18,19 年度の2 ヶ年で行うものとし,主として初年度(平成18 年度)は,調査事例および分析法のサーベイを進め,情報ベースとして閲覧システムを整備し,標本設計ならびに統計的分析手法に関する検討を進め,さらに標本の脱落・復活や移動等のデータの特性に関する検討を進める。また,出生児調査,成年者調査の主要な事項(出生児の成長,結婚・出生の意識・意欲と行動,家事育児・就業,健康リスク,地域)について,先行研究レビューを行い統計的分析の基礎となるデータ・変数等の整備を行い,基礎的分析を行った。第2 年度(平成19 年度)はシステムの検証と確立ならびにシステムを用いた主要事項に関する本格的な統計分析を行う予定である。

(3) 研究実施状況

 初年度の研究成果として,欧米中心に調査情報収集を進め,公開用閲覧システムを整備した。また,標本設計,イベントヒストリー手法の基礎ならびにマイクロシミュレーション法を検討し,後者は基礎システムを開発した。その他,得られた知見として,データの基礎特性については,脱落の特徴(父母が低年齢,低所得など)が明らかとなり,また復活が比較的多く重要であること,多数回融合データでは回答者・保育者が母親でないケースが想定外に多いこと,出生児の成長は横断調査結果と合致し,標本特性に問題がないことなどがわかった。分析事例では,第1 子出生遅延と婚前妊娠や就業などとの関係,出生意欲による出生予測の可能性,夫の家事・育児時間が長いことが次の出生を促し,育児の経済的負担では実態と意識で齟齬があり,低所得層で負担感が高いわけではなく,専業主婦,非正規就業,正規雇用の母親では負担感の内容が異なること,再就労は都市で少ないこと,低所得と出生年齢や喫煙の関係などがわかった。これら一連の成果は重要なテーマの基礎を網羅しているため,次年度の統合的応用分析が期待される。自治体のヒアリングにおいても,縦断調査の詳細な分析結果については,次世代育成支援見直し等への示唆を得ることへの期待が高い。

(4) 研究組織の構成

主任研究者
金子隆一(人口動向研究部長)
分担研究者
釜野さおり(人口動向研究部第2 室長),北村行伸(一橋大学経済研究所教授)
研究協力者
石井 太(企画部第4 室長),三田房美(企画部主任研究官),
岩澤美帆(人口動向研究部主任研究官),守泉理恵(同部研究員)
阿藤 誠(早稲田大学人間科学学術院特任教授),
津谷典子(慶應義塾大学経済学部教授),
中田 正(日興ファイナンシャルインテリジェンス副理事長),
福田節也(明治大学大学院政治経済学部専任助手),
西野淑美(日本女子大学人間社会学部助手),
鎌田健司(明治大学政治経済学部助手),相馬直子(日本女子大学人間文化研究科),
元森絵里子(東京大学大学院人文社会系研究科)


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