１３ 最小限福祉の社会的評価の形成に関する基礎的研究（平成12 年度）
（1 ）研究目的
本研究は，以下の３つの問題を具体的な社会保障制度（生活扶助制度）との関連で理論的に解明することを目的とする。
- 最小限福祉の内容に関する問題。所与の社会的・経済的・文化的環境のもとで，ひとの福祉を構成するうえで不可欠であり，かつ社会的責任において保障することが妥当な内容をいかに特定化するか。
- 最小限福祉の水準に関する問題。所与の経済的制約（例えば環境・技術・人々労働インセンティブ）のもとで，移転資源（所得）の供給量の妥当性に関する規範的要請，必要最小限の水準の妥当性に関する規範的要請をいかに配慮すべきか。
- 最小限福祉を保障する妥当な手続きに関する問題。
（2 ）研究会の構成員
- 研究代表
- 後藤玲子（総合企画部第2 室長）
- 所内担当者
- 阿部 彩（国際関係部第2 室長），勝又幸子（総合企画部第3 室長），本田昭彦（客員研究員）
（3 ）研究計画
12 年度は，生活扶助に関する内外の文献の調査・解読，内外の研究者との研究交流，ならびに内外の実態調査に関する刊行物の収集・分析等を行った。
（4 ）研究成果
- 定例研究会
- 第１回 平成12 年8 月1 日
- 「日本の生活保護の動向―厚生省・統計データのサーベイ」
- 報告者：勝又幸子（国立社会保障・人口問題研究所総合企画部第3 室長）
- 第２回 平成12 年11 月7 日
- 「公的扶助制度の国際比較―OECD24 カ国のなかの日本の位置」
- 講師：埋橋孝文（大阪産業大学教授）
- 関連テーマに関する国内外での研究報告
- 「生活保護に関する公的統計データ一覧」（国立社会保障・人口問題研究所ホームページ掲載）の作成
