日本の市区町村別将来推計人口(平成15年12月推計)


国立社会保障・人口問題研究所



 ここでは「日本の市区町村別将来推計人口」の概略についてPDFファイルで提供しています。
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概要       『日本の市区町村別将来推計人口(平成15年12月推計)の概要』[gaiyo.pdf]

詳細       『日本の市区町村別将来推計人口(平成15年12月推計)』[syosai.pdf]

結果表      『将来の市区町村別人口および指数(平成12年=100とした場合)』[kekka1.pdf]

          『市区町村別、年齢(3区分)別人口』[kekka2.pdf]

          『市区町村別、年齢(3区分)別人口割合』[kekka3.pdf]



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  結果表の名称
1 『将来の市区町村別人口および指数(平成12年=100とした場合)』
2 『市区町村別、年齢(3区分)別人口』
3 『市区町村別、年齢(3区分)別人口割合』





日本の市区町村別の将来推計人口(平成15年12月推計)について

 国立社会保障・人口問題研究所では、平成14(2002)年1月に平成12(2000)年の国勢調査をふまえた「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」を発表した。 3月には、この全国人口推計を受けて「都道府県将来推計人口(平成14年3月推計)」を公表した。
 このたび、この都道府県別人口推計に基づいて新たに市区町村別の将来推計(平成12(2000)〜平成42(2030)年)を行った。
 推計方法ならびに推計結果の概要は以下の通りである。


目次

  T.推計方法の概要                              U.推計結果の概要

   1.推計期間              5.将来の純移動率              1.市区町村別総人口の推移

   2.推計方法              6.将来の婦人子ども比            2.年齢別人口の推移

   3.基準人口              7.将来の0〜4歳性比             

   4.将来の生残率

   

T.推計方法の概要


1.推計期間

 推計期間は平成12(2000)〜平成42(2030)年まで5年ごとの30年間とした。


2.推計方法(図T−1

 5歳以上の年齢階級の推計においては、コーホート要因法を用いた。 コーホート要因法は、ある年の男女・年齢別人口を基準として、ここに人口動態率や移動率などの仮定値を当てはめて将来人口を計算する方法であり、5歳以上人口推計においては生残率と純移動率の仮定値が必要である。 一方0〜4歳人口については出生率に関する仮定値が必要であるが、市区町村別の出生率は年による変動が大きいことから、婦人子ども比 の仮定値によって推計した。
 以上の推計においては、(1)基準人口、(2)将来の生残率、(3)将来の純移動率、(4)将来の婦人子ども比、(5)将来の0〜4歳性比、が必要となる。
 なお、上記の方法により各市区町村別に推計値を求めた後、男女・年齢別推計人口の都道府県内全市区町村の合計が、「都道府県別将来推計人口(平成14年3月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)による各都道府県の男女・年齢別推計人口の値と一致するよう一律補正を行ったものを、最終の推計結果としている。


3.基準人口

 推計の出発点となる基準人口は、「国勢調査報告」(総務省統計局)による平成12(2000)年10月1日現在、市区町村別、男女・年齢(5歳階級)別人口(総人口)を用いた。 ただし、年齢不詳の人口を5歳階級別に按分して含めた。
 なお、「平成12(2000)年市区町村別生命表」(厚生労働省大臣官房統計情報部、平成15年3月)が平成13(2001)年末現在の市区町村境界で公表されていることから、本推計も平成13(2001)年末現在の市区町村の領域(3,245自治体)を推計単位としている。


4.将来の生残率

 平成15(2003)年3月、「平成12(2000)年市区町村別生命表」が公表されたが、65歳付近までは市区町村間において生残率に大きな差が見られないため、55〜59歳→60〜64歳以下の生残率については、「都道府県別将来推計人口」によって平成12(2000)〜平成17(2005)年から平成37(2025)〜平成42(2030)年まで設定された仮定値を一律に適用することとした。
 一方65歳以上では市区町村間での生残率の差が大きくなるうえ、人口推計に対して生残率が及ぼす影響も大きくなるため、60〜64歳→65〜69歳以上については、平成12(2000)年における各市区町村の生残率と「都道府県別生命表」から計算される当該都道府県の生残率との格差を計算し、その格差を平成37(2025)〜平成42(2030)年まで一定として市区町村ごとに仮定値を設定した。


5.将来の純移動率

 市区町村における純移動率は、一時的な要因によって大きく変化することがあるため、都道府県別の純移動率以上に一定の規則性を見いだすことが難しい。 そこで最終的に都道府県別人口推計による値と一致させることも考慮して、都道府県別人口推計と同様、基本的には平成7(1995)〜平成12(2000)年(直近)の男女・年齢別純移動率を初期値として採用することとした。 しかしながら、過去のデータを分析すると、全体として純移動率は時間の経過とともに当該市区町村と境界をもって接している市区町村(周辺市区町村)の純移動率の値に近づいていく傾向がある。 したがって、周辺市区町村と比較して人口が最大でない市区町村(政令指定都市は除外)については、周辺市区町村の純移動率を考慮した値へと直線的に近づけることとした。 なお、純移動率の仮定値がプラスで、かつ当該都道府県に占める人口のシェアが増大しているケースに限り、推計期間ごとに仮定値を調整することとした。
 ただし、特に人口の少ない町村においては純移動率が期間を通じて安定しないケースが存在する。 このような場合に直近の純移動率を初期値として適用すると、非現実的な推計値が算出される可能性がある。 そこで昭和55(1980)〜平成12(2000)年の4期間における純移動率の変動幅が一定の基準値を超える場合は、当該20年間の純移動率を考慮した仮定値を初期値として採用することとし、以下上記と同じ手順によって仮定値を設定した。


6.将来の婦人子ども比

 本推計では将来の0〜4歳人口の算出に婦人子ども比を用いる。 その主たる理由として、市区町村別の出生データは年による変動が大きいことが挙げられる。 加えて、都道府県別人口推計において都道府県別の平成42(2030)年までの男女・5歳階級別人口が推計されているため、これを利用できるものと考えた。 しかし、各都道府県内の各市区町村の婦人子ども比を求めて比較すると市区町村間で明らかな格差が存在するため、各都道府県別の婦人子ども比を一律に適用することは望ましくないと判断した。 したがって、平成12(2000)年の各都道府県の婦人子ども比と各市区町村の婦人子ども比との格差(比)をとり、平成12(2000)年時点での各市区町村の婦人子ども比を、その格差(比)と同年の都道府県の婦人子ども比との積として表し、これを初期値として利用することとした。 ただし、婦人子ども比の格差についても時間の経過とともに周辺市区町村の格差に近づいていく傾向がみられたことから、周辺市区町村と比較して人口が最大でない市区町村(政令指定都市は除外)については、同一都道府県内の周辺市区町村の格差を考慮した値を計算し、平成42(2030)年までに格差をこの値に直線的に近づけることとした。
 ただし、各都道府県との格差の変動が大きい一部の市区町村のなかで、昭和55(1980)〜平成12(2000)年の5時点における格差の変動幅が一定の基準値以上で平成7(1995)年から平成12(2000)年にかけて格差が拡大している市区町村に限り、平成2(1990)〜平成12(2000)年の格差の平均値に平成12(2000)年の各都道府県の婦人子ども比を乗じた値を初期値として利用することとし、以下上記と同じ手順によって仮定値を設定した。
 以上により求められた格差と都道府県別人口推計による都道府県別の平成17(2005)〜平成42(2030)年の婦人子ども比から、各年次・各市区町村の婦人子ども比の仮定値を算出し、0〜4歳人口を推計した。


7.将来の0〜4歳性比

 6により将来の0〜4歳人口が推計されるが、これを男女別に振り分けるためには、将来の0〜4歳性比の仮定値が必要となる。
 これについては、都道府県別人口推計により算出された都道府県別の平成17(2005)〜平成42(2030)年の0〜4歳性比を各年次の仮定値とした。 各都道府県の値を同一都道府県内の各市区町村の0〜4歳推計人口に一律に適用し、男女別の0〜4歳推計人口を算出した。



U.推計結果の概要


1.市区町村別総人口の推移(表T−1表T−2表T−3表T−4図U−1図U−2

(1)平成42(2030)年には、3分の1以上の自治体が人口規模5千人未満に

 先に公表された全国推計(中位推計)によれば、わが国の総人口は平成18(2006)年にピークを迎え、以後長期の減少過程に入る。 今回の市区町村別推計によれば、多くの自治体で人口規模が縮小するため、人口規模5千人未満の自治体が顕著に増加する結果となった。
 人口規模別の自治体数の変化をみると、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけて、主に市部および区部からなる人口規模3万人以上の自治体は735から678に減少する。 他方で、主に郡部からなる人口規模3万人未満の自治体は2,510から2,567に増加する。 しかし、その内訳をみると、人口規模5千人以上3万人未満の自治体は1,788から1,445に減少するのに対し、人口規模5千人未満の自治体は722から1,122へ1.6倍増となる。 その結果、人口規模5千人未満の自治体の全自治体に占める割合は、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけて、22.2%から34.6%へ12.4ポイントの伸びを示す。


(2)平成42(2030)年には、北海道と中国ブロックの半数以上の自治体が人口規模5千人未満に

 地域ブロック別にみると、平成42(2030)年に人口規模5千人未満の自治体が最も多くなるのは九州・沖縄(208)、続いて東北(169)、中国(165)の順であり、これら3ブロックで人口規模5千人未満の自治体の48.3%を占める。 このうち東北は、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけてその数が87から169へ94.3%もの増加となり、この間の増加率は全ブロックの中で最も高い。 また、北海道と中国の2ブロックは、平成42(2030)年には、人口規模5千人未満の自治体の割合が5割を超える。
 他方で、南関東は人口集中の著しい地域であるため、もともと人口規模の大きい自治体が多い。 このため、平成42(2030)年においても人口規模3万人以上の自治体の割合が5割以上であるのに対し、人口規模5千人未満の自治体は1割にとどまる。


(3)平成37(2025)年から平成42(2030)年にかけては9割以上の自治体で人口が減少する。

 先に公表された都道府県推計によれば、平成12(2000)年以降人口が減少する都道府県は年とともに増加し、平成42(2030)年までに滋賀県を除く46都道府県で人口が減少するようになる。 一方、国勢調査によれば、平成7(1995)年から平成12(2000)年にかけて既に2,194自治体(全自治体の67.6%) で人口が減少している。 今回の市区町村別推計によれば、人口が減少する自治体は今後も増加し、平成17(2005)年から平成22(2010)年にかけては2,540自治体(全自治体の78.3%)、平成27(2015)年から平成32(2020)年にかけては2,918自治体(全自治体の89.9%)、平成37(2025)年から平成42(2030)年にかけては3,091自治体(全自治体の95.3%)で人口が減少する。


(4)平成42(2030)年には、平成12(2000)年に比べて人口が2割以上減少する自治体は半数を超える。

 平成42(2030)年の人口を、平成12(2000)年を100としたときの人口指数でみると、指数が100を超える、すなわち平成12(2000)年より人口が増加する自治体は431(全自治体の13.3%)で、このうち指数が120以上の自治体は91、150以上の自治体は8である。 残る2,814自治体(全自治体の86.7%)は指数が100未満であり、その内訳をみると、80以上100未満の自治体は997、60以上80未満の自治体は1,277、60未満の自治体は540である。 平成42(2030)年には、全自治体の56.0%を占める1,817自治体で、平成12(2000)年に比べて人口が2割以上減少する。 さらに、このうちの158自治体では指数が50未満、すなわち平成12(2000)年に比べて人口が半分以下になる。


(5)平成42(2030)年の人口が平成12(2000)年を上回る自治体は大都市とその郊外に多い。

 平成42(2030)年の人口指数(平成12年=100とした場合)を、地域ブロック別にみると、いずれのブロックにおいても100未満の自治体が大多数を占める。 なかでも北海道、東北、中国の3ブロックでは、人口指数100未満の自治体の割合が95.3%と高い値を示す。 また、人口指数が60未満、すなわち平成12(2000)年に比べて人口が4割以上減少する自治体は、北海道(94)、九州・沖縄(91)、中国(86)の順に多い。 このうち北海道は、人口指数60未満の自治体の割合が44.3%に達しており、他ブロックに比べて高い割合となる。
 人口指数100以上の自治体が多いのは、九州・沖縄(89)、南関東(72)、近畿(65)の順である。 このうち、人口指数100以上の自治体の割合が最も高いのは南関東(26.9%)で、続いて北関東(22.1%)、近畿(20.1%)の順となる。 このため、平成42(2030)年の人口が平成12(2000)年を上回る自治体は、大都市とその郊外に高い割合で分布することがわかる。


2.年齢別人口の推移(表T−5表T−6表T−7表T−8表T−9表T−10図U−3

(1)平成42(2030)年には、年少人口割合10%未満の自治体が3割を超える。

 全国推計(中位推計)によれば、全国の年少人口(0〜14歳)は低い出生率のもとで今後も減少を続け、総人口に占めるその割合は平成12(2000)年の14.6%から平成42(2030)年の11.3%へ低下する。 今回の市区町村別推計によれば、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけて年少人口割合が低下するのは3,221自治体(全自治体の99.3%)である。 この間に、年少人口割合10%未満の自治体は102から1,017へ増加し、平成42(2030)年には全自治体の31.4%を占めるようになるのに対し、年少人口割合16%以上の自治体は691から21へ減少する。


(2)平成42(2030)年には、生産年齢人口割合50%未満の自治体が3割を超える。

 全国推計(中位推計)によれば、全国の生産年齢人口(15〜64歳)は今後一貫して減少し、総人口に占めるその割合は平成12(2000)年の68.1%から平成42(2030)年の59.2%へ低下する。 今回の市区町村別推計によれば、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけて生産年齢人口割合が低下するのは3,210自治体(全自治体の98.9%)である。 この間に、生産年齢人口50%未満の自治体は117から1,039へ8.9倍増となり、平成42(2030)年には全自治体の32.0%を占めるようになるのに対し、生産年齢人口割合60%以上の自治体は1,956から330へ減少する。


(3)平成42(2030)年には、老年人口割合40%以上の自治体が3割を超える。

 全国推計(中位推計)によれば、全国の老年人口(65歳以上)は今後増加し、総人口に占めるその割合は平成12(2000)年の17.4%から平成42(2030)年の29.6%へ上昇する。 今回の市区町村別推計によれば、平成12(2000)年から平成42(2030)年にかけて老年人口割合が上昇するのは3,232自治体(全自治体の99.6%)である。 この間に、老年人口割合40%以上の自治体は77から987に増加し、平成42(2030)年には全自治体の30.4%を占めるようになるのに対し、老年人口割合20%未満の自治体は967から7へ減少する。


(4)北海道、中国、四国で人口高齢化の進む自治体の割合が高い。

 これまで述べてきたように、各自治体の年齢構成は全般的にみて高齢化が進行する結果となっているが、地域ブロック別にみると若干その状況は異なる。 著しく高齢化が進行する自治体が多いのは、北海道、中国、四国であり、例えば四国では、平成42(2030)年の年少人口割合10%未満の自治体が53.7%を占める一方で、同年の老年人口割合50%以上の自治体は13.9%を占める。
 以上の5ブロックと対照的なのは南関東である。 南関東は、先の都道府県推計により今後とも人口集中が続くという推計結果が示されているが、本推計の結果をみても、平成42(2030)年に老年人口割合50%以上の自治体は1つしかなく、生産年齢人口割合60%以上の自治体が32.5%を占める。


 

注記

 本推計の利用者各位は本報告に記載された方法と仮定を十分検討された上で利用されることを希望する。



  婦人子ども比とは、0〜4歳人口をC0-4、15〜49歳女子人口をW15-49とすれば、C0-4/W15-49 によって求められる。本文に戻る



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