はじめに
将来推計人口の基本的性質と見方
推計結果の解説
仮定の解説
(1)合計特殊出生率1.26の意味
(2)なぜ寿命は延び続けるのか
(3)国際人口移動の仮定とその効果
(4)将来推計人口の国際比較
(5)将来推計人口の描く日本人のライフコース
1)女性の結婚・出生に関する多相生命表の作成
2) 女性世代の結婚・出生に関するライフコース
a) コーホート別にみた女性の未既婚・子供数の生涯実現確率
b) コーホート別にみた女性の生涯未婚率ならびに出生子供数分布
c) コーホート別にみた女性の子ども・孫を持たない割合
d) コーホート別にみた女性の未既婚・子供数の生存期間
e) コーホート別にみた女性の生存期間(平均寿命)の内訳
参考推計(条件付推計)
将来人口推計[報告書]

3.仮定の解説

(5) 将来推計人口の描く日本人のライフコース

2) 女性世代の結婚・出生に関するライフコース
  d) コーホート別にみた女性の未既婚・子供数の生存期間

 つぎに、出生・死亡仮定から作成された多相生命表によって、女性の結婚・出生に関わる状態の生存期間の構成を見たい(表3-5、図3-25)。

 これは、平均寿命で表される各世代の生存期間のうち、未婚期間、子どものいない期間などの内訳を表すもので、いわば人生の使い方を知ることができる。

 これによると、すでに50歳に達している1950年、55年生まれコーホートでは、当時の乳幼児期の死亡率の高さを反映して平均寿命はそれぞれ80.8年、84.2年と後続世代に比べ、かなり短くなっている。この中で未婚期間はそれぞれ25.3年、27.2年であった。

 したがって、未婚期間の平均寿命に占める割合は31%、32%と人生の1/3弱を占めていた。その後のコーホートでは、平均寿命は1990年生まれ世代の89.8年まで順次伸長し、同世代で未婚期間は42.5年、その寿命に占める割合は47%と半分弱までに増大している(注)。

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 これらの数値は、個人のライフコースというより、各世代の集団としてのライフコースとみる方が適切であろう。

 すなわち、1990年生まれの女性世代は、生涯に結婚する人もしない人も含んでいるが、世代全員の生きる人生を総合すると、その47%を未婚として過ごすことを示している。

 同様に、子どもを持たない期間の平均は51.7年で、この女性世代の人生の58%は子どもを持たずに過ごす。

(注) ただし、ここでも50歳以降は結婚も出生も起こらないとして扱っている。

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