平成19 年度遡及版 時系列整備 について


 本資料について詳しく紹介すれば以下のようになる。平成8(1996)年12月、旧人口問題研究所と旧社会保障研究所の統合により国立社会保障・人口問題研究所が設立されて以降、社会保障費統計資料集としては3冊が刊行されている 。これまでは「遡及版」と「時系列整備」は別々の資料集として刊行されたが、今回は2つを併せて収載することとした。研究所では一般会計プロジェクトとして、社会保障調査・研究事業を継続的に実施しているが、本資料はその一環として整備され公表されたものである。本資料の構成は2部にわかれている。
 第T部「平成19年度遡及版」は、本研究所が過去に公表した社会保障給付費推計と直近の推計結果との整合性を確保するために、データの遡及作業をした上で収支表全体を改訂した結果である。とくに社会保障費用の時系列分析に資するために編集したものである。「平成9年度遡及版」から5年間隔で実施する遡及改訂作業に併せて刊行している。遡及版で改訂された数値は平成19(2007)年10月に公表した「平成17年度社会保障給付費」において、既公表数値の更新に用いられた。今回の遡及による改訂は、平成元(1989)年度以降平成16(2004)年度までとなっている。
 遡及した表はまず、部門別社会保障給付費の推移などの集計表と各年の社会保障費収支表である。次に、機能別社会保障給付費では、国際労働機関(ILO)が「第19次国際社会保障費用調査」で開発した国際比較の分類である項目別・機能別収支表を収載している。日本では「平成10年度社会保障給付費」(平成12年度公表)から項目別・機能別収支表の公表を始めた。遡及としては、平成6(1994)年度から平成16(2004)年度までの11年間の数値を「平成19年度遡及版」を反映させることで改訂している。併せて、表頭に各制度名を表側に機能別社会保障分類を配した対応表も収載しており、これは項目別・機能別収支表のもととなったものである。これらの表は社会保障給付費の公表資料としてはウェブ掲載参考表としてのみ公開されているものであるが、制度と項目別・機能別分類の対応関係を知る上で役立つ。
 第U部として、「時系列整備」では、旧社会保障研究所が平成7(1995)年に刊行した『社会保障費統計の基礎と展望』の第3部資料編「制度別社会保障収支表」を平成元(1989)年度から直近公表年度の平成17(2005)年度まで時系列で再整備して収載している。制度別社会保障収支表では、第18次ILO調査の制度区分をもとに、社会保険制度で「健康保険」(=短期保険)、「年金保険」(=長期保険)の両方を兼ね備えている各種共済組合について収入支出ともに短期保険と長期保険に分割した上で再集計している。短期長期の分割方法については、前回の研究資料第300号の時と同様に、先行研究「社会保障費用の資金の流れに関する調査研究」(平成3年度) において提案された“業務費配分率”の手法を継承した。なお、平成12(2000)年度に介護保険制度が導入されたことをうけ、従来の11分類(医療保険、老人保健、年金保険、雇用保険等、業務災害補償、家族手当、生活保護、社会福祉、公衆衛生、恩給、戦争犠牲者援護)に介護保険を加え、12分類に更新した。




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