W 生活に困難を抱える世帯の状況




3. 支払いが滞納した経験



 過去1年間に、経済的な理由で電気、ガス、電話料金が未払いとなったことがある世帯が全世帯のうちどれだけの割合であったかを見ると(表W-5)、その割合は電気4.7%、ガス4.5%、電話5.0%であった。また、賃貸住宅費、住宅ローンの滞納や、その他債務の返済ができないことがあった世帯がこれら支出のある該当世帯に対してどれだけの割合だったかを見ると(表W-5)、賃貸住宅費6.1%、住宅ローン2.9%、その他債務は10.3%であった。特に、「その他債務」については、その該当世帯は44.5%と半数以下であるものの(付表W-3)、支払いの滞納経験は10.3%となっている。
 これを世帯タイプ別に見ると(表W-5)、電気・ガス・電話・賃貸住宅費・その他債務の5項目については、最も高い割合で未払いがあったのはひとり親世帯(二世代)であり、それぞれ16.2%、17.1%、18.5%、18.4%25.8%であった。また、単身世帯(単独高齢女性を除く)は滞納経験が多いものの、高齢女性の単身世帯では少ない傾向が見られた。夫婦のみ世帯は、他の世帯に比べると、すべての項目について滞納経験が少なくなっている。



表W-5 料金・債務が支払えなかった経験がある世帯の割合  

 



 次に、20歳から69歳の世帯員がいる世帯において、世帯所得階級別に支払いの滞納経験を見ると(表W-6)、住宅ローンを除くすべての項目において、所得階級2が一番滞納経験があったとする世帯の割合が多く、電気・ガス・電話については約10%、賃貸住宅費については14.6%、その他債務については21.0%という割合であった。この割合は、所得階級3から所得階級10にかけて減少し、所得階級10では電気・ガス・電話・賃貸住宅費・住宅ローンの5項目については1%以下となっている。



表W-6 所得階級別、料金・債務が支払えなかった経験がある世帯の割合  

 


 地域ブロック別に支払いの滞納経験を見ると(表W-7)、北海道では、電気・ガス・電話が9.5%7.0%9.3%、賃貸住宅費、その他債務では13.9%13.0%と、他の地域に比べて高い割合となっている。次に滞納経験が多いのは、「九州・沖縄」であり、すべての項目について総数の平均よりも高い値となっている。滞納経験が少なかったのは「中京圏」「中部・北陸」であった。



表W-7 地域ブロック別、料金・債務が支払えなかった経験がある世帯の割合  

 



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