U 平成16年度社会保障給付費の概要


1. 平成16年度の社会保障給付費の総額は85兆6,469億円である。

  1. 部門別社会保障給付費をみると、「医療」が27兆1,537億円(31.7%)、「年金」が45兆5,188億円(53.1%)、「福祉その他」が12兆9,744億円(15.1%)である。
  2. 平成16年度社会保障給付費の対前年度伸び率は1.6%であり、対国民所得比は23.72%である。
  3. 国民1人当たり社会保障給付費は67万800円であり、1世帯当たりでは182万6,900円となっている。



表1 部門別社会保障給付費

(注)( )内は構成割合である。



表2 部門別社会保障給付費の対国民所得比



表3 1人(1世帯)当たり社会保障給付費

(注)1世帯当たり社会保障給付費=(世帯人員総数/世帯総数)×1人当たり社会保障給付費によって算出した。



図1 社会保障給付費の部門別推移


2.機能別社会保障給付費をみると「高齢」が全体の50.4%で最も大きく、ついで「保健医 療」が31.0%であり、この二つの機能で81.4%を占めている。これ以外の機能では、「遺族(7.3%)、「家族」(3.1%)、「生活保護その他」(2.7%)、「障害」(2.3%)、「失業」(1.7%)、「労働災害」(1.1%)、「住宅」(0.4%)の順となっている。



表4 機能別社会保障給付費

(注)
1.( )内は構成割合である。
2.機能別の項目説明は、33頁を参照。
3.平成16年度は前年度との比較では、「家族」が2.7%減少しているが、この背景としては、公立保育所運営費負担金の一般財源化に伴い、この運営費が社会保障給付費に計上されなくなったことがある。なお参考までに、仮に一般財源化により計上されなくなった額を3,322億円として推計すれば、「家族」の構成割合は3.5%、対前年度伸び率は9.5%となる。



表5 機能別社会保障給付費の対国民所得比

(注)
平成16年度は前年度との比較では、「家族」が0.03%減少しているが、この背景としては、公立保育所運営費負担金の一般財源化に伴い、この運営費が社会保障給付費に計上されなくなったことがある。なお参考までに、仮に一般財源化により計上されなくなった額を3,322億円として推計すれば、「家族」の対国民所得比は0.83%、対前年度増加分は0.07%ポイントとなる。



図2 機能別社会保障給付費の推移


3. 年金保険給付費、老人保健(医療分)給付費、老人福祉サービス給付費及び高年齢雇用継続給付費を合わせた高齢者関係給付費は、平成16年度には60兆6,537億円となり、社会保障給付費に対する割合は70.8%である。



表6 高齢者関係給付費

(注)
1.(  )内は社会保障給付費に占める割合である。
2. 老人福祉サービス給付費は、介護対策給付費と介護保険以外の在宅福祉サービス費等からなる。
3.高年齢雇用継続給付費は、60歳から65歳までの継続雇用、再就職の促進を図る観点から、60歳時点に比して賃金額が25%以上低下した状態で雇用を継続する高年齢者に対し、60歳以後の賃金額の15%相当額を65歳に達するまでの間支給するものである。
4.老人保健制度においては、対象年齢を平成14年10月より5年間で段階的に70歳以上から75歳以上へ引き上げることとなっており、平成16年10月には73歳に引き上げられている。したがって、上記「老人保健(医療分)給付費」の平成15年度と平成16年度の額も対象になる年齢が異なっていることに留意する必要がある。なお、「平成16年度国民医療費(厚生労働省)」によると、平成16年度の75歳以上の国民医療費の対前年度伸び率は5.7%の増加である。


▲目次に戻る

▲社会保障給付費トップページに戻る

トップページへ