2003年 社会保障・人口問題基本調査

第3回全国家庭動向調査

結果の概要[要旨]

2006年6月

国立社会保障・人口問題研究所





T.調査の実施の概要

・調査実施時期
2003年7月1日

・調査対象
全国の全ての世帯の有配偶女子(妻がいない世帯は世帯主を対象)

・調査票配布数
14,332票(有効調査票 11,018票,有効回収率 76.9%)

・調査目的
 この調査は、家庭機能の変化の動向や要因を正確に把握するため、家庭の出産、子育ての現状、家族関係の実態を明らかにすることを目的としている。


U.調査結果の概要


1.子育て資源としての親との関係

・同別居割合は、30歳代前半までは8割程度が別居である。

・どちらかの母親と同居する割合は農村地域では4割、都市地域ではほぼ2割となっている。

・別居の場合は、若年世代ほど親の近くに居住している。

・妻の年齢別に親の介護の要否をみると、39歳以下の妻では3.5〜5.2%程度である。


2.夫婦の役割関係

(1)妻の家事時間と夫妻の家事分担度

・妻の家事時間は、平日の20歳代で4.5時間、30歳代でほぼ5時間程度となっている。

・フルタイムで働く妻で、平日の家事時間4時間以上も4分の1程度いる。

・夫の帰宅時間が8時前だと妻の家事時間は、わずかではあるが短縮される。

・妻がフルタイムで働いていても、夫の2割程度は全く家事をしない。

(2)夫の家事参加の実態と変化

・夫の家事参加は総じて停滞気味であり、中年を底に浅いU字型の傾向は継続している。

・妻が常勤で働く夫の家事遂行は若干上昇した。自分の親と同居している夫は家事参加度が低い。

(3)夫妻の育児分担度

・子どもが1歳未満でも、夫のほぼ1割は全く育児をしない。

(4)夫の育児参加の実態と変化

・夫の育児遂行率は前回に比べ若干伸びている。

・「寝かしつける」では6割、「食事をさせる」「おむつを替える」ではほぼ半数の夫がほとんど行っていない。手のかかる育児ではあまり変化がない。

(5)夫の育児遂行率と妻の就業継続および子ども数

・夫の育児遂行率が高いと第1子出産時の妻の就業継続率も高い。

・夫の育児遂行率が高いと追加予定子ども数も多くなる。

(6)夫の家事、育児参加に対する妻の評定

・夫の家事、育児に対する妻の評価は、遂行率は上昇したが、上昇の幅はわずかで、肯定的態度と否定的態度がほぼ拮抗している。

・夫に対する家事、育児への期待度は6.3ポイント低下している。


3.夫婦の共通行動

(1)夫婦間のコミュニケーション

・夕食をいつも一緒にする夫婦は、30歳代40歳代の家庭では6割前後である。

・よく心配や悩み事を夫に相談する割合は20歳代で54%、30歳代で44%程度である。

(2)夫婦の裁量権

・家計の分配や管理・運営は妻が主に行う割合が7割弱を占めている。また、育児や子どもの教育についての決定を、主に夫が行う家庭は少ない(3.4%)。

・妻が自分の親と同居している場合裁量権が大きくなり、夫の親と同居している場合は小さくなる。


4.家族に関する妻の意識

前回に比べ、全体として伝統的価値観を否定する方向にふれる回答が増加した。

(1)夫婦に関する規範意識

・「夫は仕事、妻は家庭」という性別役割分業について、賛成派が11.2ポイント低下し、過半数を切った(41.1%)。

・「夫も家事や育児を平等に分担すべき」の肯定派は6.1ポイント増し、8割を超えた(82.8%)。

(2)子どもに関する規範意識

・「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念した方がよい」の賛成は前回に比べ7.2ポイント低下したが、それでも8割程度(82.9%)が肯定している。

・「子どもを持ってはじめて社会的に認知される」に対して、20歳代では8割超が反対(84.1%)。





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(配布資料)
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電話 03-3595-2984

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