4.未婚者の生活と意識
− 若者たちを取り巻く状況と意識 −
(1)親との同居と就業の状況
未婚者の親との同居率は横這い
親と同居する未婚者の割合(同居率)は、男性では第11回調査(1997年)から第12回調査(2002年)にかけて上昇を示したが、今回調査ではおおむね横這いとなった。女性では年齢により異なる傾向がみられ、18〜19歳の同居率が減少する一方で、従来低かった30〜34歳の同居率が上昇する傾向がみられる。
就業の状況により異なる未婚男性の親との同居率
就業の状況別に親との同居率の違いをみると、男性の場合「パート・アルバイト」「自営・家族従業等」「無職・家事」で高く(80%台)、「正規の職員」「学生」で低い(60%台)。女性では「学生」を別にすると就業の状況による同居率の差は小さいが、相対的に「無職・家事」「パート・アルバイト」で高く、「正規の職員」「自営・家族従業等」で低い傾向が見られる(表4-2、図4-1)。
(2)女性の健康
未婚女性の5人に一人が問題を抱える
妊娠や出産にかかわる健康について、18歳〜34歳の未婚女性の5人に1人(19.3%)が表中に示されるような問題や障害を感じていることがわかった。最も多いのは月経にかかわる問題であるが(15.0%)、30歳代では婦人科系の障害や不妊を心配する女性が多くなっている。
(3)結婚・家族に関する意識と評価
結婚・家族を支持する意識に復調が見られる
未婚者の結婚・家族に対する意識は、全般に独身でいることを肯定する意識がゆらぎ、家族・結婚を支持する意識に復調が見られる。@生涯独身はよくない、A同棲するなら結婚すべき、E結婚に犠牲は当然、G子どもは持つべき、I離婚は避けるべき、などで支持が増えている。しかし、F夫は仕事、妻は家庭、と考える人は継続的に減少しており、D結婚後も自己目標を持つべき、は継続的に増加している。概して、男性の方が女性に比べて伝統的な家族のあり方に対して肯定的な傾向が見られる。
全般に周りの人の結婚や子育てには肯定的
親の夫婦関係、きょうだいや友人の結婚・子育てに対する見方は、男女でそれほど違っていない。父親がよく家事をしていたと答えた人は男女とも2割台で、6〜7割の人が周囲やマスコミから結婚や出産・子育てについてたいへんそうだと聞いている。親や友人の夫婦関係・結婚に対しては、肯定的(うらやましい・幸せそう)に感じている人が約半数おり、そうでない人よりかなり多い結果となっている。
周りの人の結婚や子育てに肯定的な人は、結婚意欲がやや高い
周囲の結婚や子育てに対する評価によって、一年以内の結婚意思に違いがあるか否かをみると、男女とも両親や友人夫婦の関係を肯定的に感じている人の方が、「結婚したい」あるいは「理想的な相手が見つかれば結婚してもよい」と答えている人が多く、結婚意欲が高いことがわかる。
目次へ戻る
前へ戻る
次へ進む