6.結婚・家族に関する妻の意識
(1)既婚女性の意識パターン
この調査では結婚、家族、男女関係などに関する妻の意識とその出生との関連について、10項目にわたって調べている(表6-1)
既婚女性の意識:個人の目標を大切にしながら、子どもを中心に考える家族観
「B婚前交渉はかまわない」「C男らしさや女らしさは必要」「D結婚しても自分の目標を持つべき」という考えは、4分の3以上の妻に支持されている。生涯独身でいること(@)や離婚(I)を認める人は約4割、また「E結婚に犠牲は当然」に反対する妻が約半数いる。「F夫仕事・妻家庭」という考えには6割が反対だが、「G子どもは持つべき」「H幼子の母親は家にいるべき」「A同棲より結婚するべき」という考えについては、7割前後の妻が支持をしている。
(2)既婚女性の意識の変化
第10回調査(1992年)からの意識の変化をみると、結婚をより自由なものとしてとらえる意識の増加傾向がとまり、結婚に対する伝統的な考え方を肯定的にとらえる意識がやや増加する流れがみられた。しかし、子どもに関する家族観では、これまでの変化が続いている。
結婚についての意識の変化傾向に異なる動き
前回まで減少していた「@生涯独身という生き方」をよくないと考える割合は、今回は増加している。前回までみられた「A同棲より結婚」の支持割合の減少も、「B婚前の性交渉はかまわない」の支持割合の増加も、今回はみられない。「I離婚をよくない(図省略)」と考える割合は1992〜97年の間で大きく減少したが、その後は変化がみられない。
結婚生活への姿勢でも、変化にゆらぎ
「D結婚しても自分の目標を持つべき(図省略)」への支持は前回まで増加していたが、今回はそれがみられない。「E結婚したら自分の生き方を犠牲にするのは当然だ」という考え方は、1992年から1997年の間に減った後、増加に転じている。しかし、「G子どもを持つべき」の支持割合は、これまでの減少傾向が続いている。
夫婦の役割意識の変化傾向にゆらぎ、母親の役割意識の変化は継続
「F夫仕事・妻家庭」という夫婦間の役割意識への支持は、継続的に減少していたが、今回はその傾向が止まり、わずかな増加がみられる。「H母親は家にいるのが望ましい」という意見の支持の減少傾向は、継続している。
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