W.未婚者の生活と意識
1.親との同別居
親と同居する未婚男性が大幅に増加
未婚者の親との同居状況をみると、男性では20歳以上のすべての年齢層で親との同居率が上昇している。女性では従来、25〜29歳をピークとしてそれ以上の年齢層では同居率が低下する傾向にあったが、今回の結果では30歳を過ぎても同居率は高止まりを示しており、高原型のパターンに移行しつつある(図W-1-1)。
フリーターの増加が親との同居率を押し上げている
過去5年間について未婚者の従業上の地位の変化をみると、男女ともに「正規の職員」が減少する一方で、フリーター(「パート・アルバイト」「無職・家事」)が増加している(図W-1-2)。このグループでは親と同居する傾向が強く、また「パート・アルバイト」に従事する人の同居率は近年高まっている。男性では、正規就業者における親との同居率の上昇も顕著である(表W-1-1)。
2.結婚・家族に関する意識
家庭内の役割にとどまらない女性の生き方に支持、しかしシングルライフへの評価にゆらぎ
以下に示す結婚や家族に関する考え方について賛否をたずねた。男女を比較すると、全般に女性の方が伝統的な考えに否定的である。とくに「夫は仕事、妻は家庭」といった性役割や、結婚後の個性の尊重、離婚や同棲に対する考え方で大きな男女差が見られる。過去の調査を比較すると「夫は仕事、妻は家庭」「子どもが小さいうちは母は育児専念」などに対する賛成が大きく減少しており、結婚しても女性が家庭内の役割にとどまらないことを支持する傾向が進展している。一方「生涯独身はよくない」「離婚はすべきでない」「同棲するなら結婚」と考える人は前回調査までの傾向から一転して増加を示しており、独身として生きること(シングルライフ)に対する未婚者の評価にゆらぎが見られる。
「理想の相手追求派」は「結婚年齢重視派」より伝統的な考えに否定的
未婚者の結婚・家族に関する意識を、生涯の結婚意思の別に比較すると、婚前性交渉の容認を除いて、結婚意思がない人は意思がある人に比べて伝統的な考えに否定的であることがわかった。結婚意思がある場合でも、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」(結婚年齢重視派)と「理想の相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」(理想相手追求派)とでは、理想追求派の方が年齢重視派よりも総じて伝統的な結婚観、家族観に対して否定的であった。
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