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国立社会保障・人口問題研究所

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 15 要介護高齢者の生活機能向上に資する医療・介護連携システムの構築に関する研究(平成22〜24年度)

(1) 研究目的
 要介護高齢者に対し,質の高い医療・介護サービスを効率的に提供するためには,医療と介護の連携強化 が必要である。
 本研究は,医療・介護連携上の主要課題(課題1:退院時における医療・介護連携,課題2:認知症高齢者 に対する医療・介護連携,課題3:終末期患者に対する医療・介護連携)別に,連携の実態とその阻害要因を 調査分析した上で,制度面並びに報酬面からみた具体的な課題解決策を提言することを目的とする。

(2) 研究計画
@ 【課題1:退院時における医療・介護連携】
 本研究では,退院支援プロセス及び退院患者の生活機能予後に関する実態調査を行い,アウトカムからみた 最適な退院支援プロセスの在り方を検証する。さらに,リハ職と介護支援専門員の連携モデルを構築し,そ の効果を検証した上で,現場レベルで実践可能な連携方法の提案を行う。
 初年度(平成22年度)は,@退院支援プロセス調査 A退院患者の生活機能予後調査 Bリハ職と介護支 援専門員の連携モデル構築及び試行 C諸外国の退院支援策の検証などを実施した。
 平成23年度は,@先行研究分析による知見収集 A病院における退院支援の詳細分析 B退院後プランへ の訪問リハ新規導入への影響因子分析 C継続リハの効果評価 Dリハ職と介護支援専門員の連携強化策の 効果検証 などを行った上で,平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた政策提言としてまとめる。
A 【課題2:認知症高齢者に対する医療・介護連携】
 本研究では,認知症高齢者へのケアマネジメントの実態調査,ケアマネジメントプロセスの個別事例検証, プロセス改善策の実践とその効果評価を通じて,認知症高齢者に対するケアマネジメントの改善策を提案す る。平成22年度は,@BPSD(認知症に伴う精神・心理症状)に関する先行研究分析 A認知症高齢者に対 するケアマネジメントの実態調査 B認知症高齢者に対する医療・介護サービスの受給状況調査などを実施 した。
 平成23年度は,@ケアマネジメントプロセスの検証 A医療従事者と介護支援専門員の役割分担及び連携 の検証(事例ベース) BBPSD改善に向けた医療従事者と介護支援専門員の連携モデルの検討などを行う。
B 【課題3:終末期患者に対する医療・介護連携】
 本研究では,終末期高齢者へのケアマネジメントの実態調査,ケアマネジメントプロセスの個別事例検証, プロセス改善策の実践とその効果評価を通じて,終末期高齢者に対するケアマネジメントの改善策を提案す る。平成22年度は,@終末期ケアマネジメントに関する先行研究分析 A終末期ケアマネジメントの実態調 査 B終末期における医療・介護サービスの受給状況調査などを実施した。
 平成23年度は,@終末期ケアマネジメントプロセスの検証 A医療従事者と介護支援専門員の役割分担及 び連携の検証(事例ベース) Bケアマネジメントプロセスへの評価に関する家族へのインタビュー調査など を行う。

(3) 研究組織の構成
研究代表者 川越雅弘(企画部第1室長)
研究分担者 泉田信行(社会保障応用分析研究部第1室長),白P由美香(同部研究員),
      備酒伸彦(神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授),
      篠田道子(日本福祉大学社会福祉学部教授),
      竹内さをり(甲南女子大学看護リハビリテーション学部講師),
      孔 相権(京都大学大学院医学研究科特定研究員),
研究協力者 森上淑美(兵庫県介護支援専門員協会会長),
      原 寿夫(郡山市医療介護病院院長),
      鍋島史一(福岡県メディカルセンター保健・医療・福祉研究機構主任研究員),
      小森昌彦(兵庫県民局但馬長寿の郷企画調整部地域ケア課主任),
      内藤正樹(クリニック内藤経営企画室室長)

(4) 研究成果の公表予定
 研究報告書を作成し,公表する予定である。