ページ内を移動するためのリンクです。


国立社会保障・人口問題研究所

  • 文字サイズ


 10 社会サービスにおけるナショナルミニマムの在り方に関する研究(平成23〜25年度)

(1) 研究目的
 所得保障におけるナショナルミニマムの基準については,生活保護制度における最低生活基準など,さま ざまな議論が既に展開している。これについては,議論が収束したとは言えないものの,その概念や算定方 法などにおいて複数の案が出されており,それらの検証が進められている。しかしながら,所得保障のナショ ナルミニマムは,医療,教育,福祉などの行政が行う諸サービスを前提とした上で議論されなければならな いが,その前提となる社会サービスにおけるナショナルミニマムについては学術的にも国民的にも議論が手 つかずの状態にある。そのため,各自治体が行うさまざまな社会サービスにおいても,その実態は自治体によっ て異なり,受けることができるサービスの地域格差が激しい。
 本プロジェクトは,国が保障すべき最低限の社会サービスとは何か,という点について,分析を行うもの である。そのために,まず,最初に自治体間などの社会サービスの給付と格差の実態を,マクロ・ミクロに 把握する必要がある。その上で,どのようなサービスが全国民に保障されるべきなのかの検討を行う。

(2) 研究計画
 平成23年度は, 社会サービスのニーズに関するマクロ指標の収集,自治体のヒアリング調査を行う。具体 的には,各課題ごとに先駆的な取り組をしている自治体のヒアリング及びデータの収集を行う。扱う課題(案) は,@生活保護制度における医療扶助,A雇用サービス(ハローワーク等の職業マッチング・サービスなど), B障害福祉サービス,C生活保護制度における自立支援サービス,Dパーソナル・サポート・サービス,の5 つである。
 平成24年度は,自治体に対する調査票調査,ミクロ・データを用いて,個人属性,地域属性による社会サー ビスの給付の格差を検証する。平成25 年度 改革の方向性,選択肢の効果分析を行い,グランドデザインを 描くとともに,研究成果の公表を行う。

(3) 研究組織の構成
担当部長 阿部 彩(社会保障応用分析研究部長)
所内担当 泉田信行(同部第1室長),白P由美香(同部研究員),
     黒田有志弥(同部研究員),川越雅弘(企画部第1室長)

(4) 研究成果の公表
 研究成果は,平成25年度に報告書としてまとめられるが,その過程に,学会,機関誌,学術誌,社人研ディ スカッション・ペーパーなどにて公表していく予定。