日本の市区町村別将来推計人口(平成20年12月推計)について


 国立社会保障・人口問題研究所では、平成18(2006)年12月に平成17(2005)年の国勢調査をふまえた「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」を発表した。平成19(2007)年5月には、この全国推計を受けて「日本の都道府県別将来推計人口(平成19年5月推計)」を公表した。
 このたび、この新しい都道府県別推計に基づいて新たに市区町村別の将来人口推計を行った。推計の対象とした自治体は、平成20(2008)年12月1日現在の市区町村(1,805自治体)である。
 推計方法ならびに推計結果の概要は以下の通りである。


<推計の枠組み>


 推計は前回同様、おもにコーホート要因法を用いた。この方法は、ある年の男女・年齢別人口を基準として、ここに人口動態率や移動率などの仮定値を当てはめて将来人口を推計する方法であり、平成17(2005)年までの実績値をもとにして推計を行った。推計期間は、平成17(2005)〜平成47(2035)年まで5年ごとの30年間である。



<推計結果の概要>


1.市区町村別総人口の推移


(1)2035年には、5分の1以上の自治体が人口規模5千人未満になる。

 先に公表された全国推計(出生中位・死亡中位推計)によれば、我が国の総人口は今後長期の減少過程に入る。本推計によると、多くの自治体で人口規模が縮小し、人口規模5千人未満の自治体の割合は、2005年の12.6%から2035年には20.4%へ上昇する。


(2)2030年から2035年にかけては95%以上の自治体で人口が減少する。

 先に公表された都道府県別推計によれば、2005年以降人口が減少する都道府県は、年とともに増加し、2035年までに全ての都道府県で人口が減少する。市区町村別にみると、2000年から2005年にかけて既に69.0%の自治体で人口が減少しているが、本推計によると、その割合は今後も増加を続け、2030年から2035年にかけては97.9%の自治体で人口が減少する。


(3)2035年には、2005年に比べて人口が2割以上減少する自治体は6割を超える。

 2035年の人口を、2005年を100としたときの人口指数でみると、指数が100を超える、すなわち2005年より人口が多い自治体は8.1%であり、残る91.9%の自治体は指数が100を下回り、人口が少なくなる。
 さらに、その内訳をみると、指数が60未満の自治体は16.6%、指数が60〜80の自治体は47.4%となり、2005年に比べて2割以上の人口減少となる自治体は6割を超える。




2.年齢別人口の推移


(1)2035年には、2005年に比べて年少人口が4割以上減少する自治体は7割を超える。

 2035年の年少人口(0〜14歳人口)を、2005年を100としたときの指数でみると、指数が100を超える、すなわち2005年より年少人口が多い自治体は0.2%であり、残る99.8%の自治体は指数が100を下回り、年少人口が少なくなる。
 さらに、その内訳をみると、指数が40未満の自治体は19.8%、指数が40〜60の自治体は54.5%となり、2005年に比べて4割以上減少する自治体は7割を超える。


(2)2035年には、2005年に比べて生産年齢人口が4割以上減少する自治体は4割を超える。

 2035年の生産年齢人口(15〜64歳人口)を、2005年を100としたときの指数でみると、指数が100を超える、すなわち2005年より生産年齢人口が多い自治体は2.3%であり、残る97.7%の自治体は指数が100を下回り、生産年齢人口が少なくなる。
 さらに、その内訳をみると、指数が40未満の自治体は4.7%、指数が40〜60の自治体は38.5%となり、2005年に比べて4割以上減少する自治体は4割を超える。


(3)2035年には、2005年に比べて老年人口が5割以上増加する自治体はほぼ4分の1に達する。

 2035年の老年人口(65歳以上人口)を、2005年を100としたときの指数でみると、指数が100を超える、すなわち2005年より老年人口が多い自治体は68.8%であり、残る31.2%の自治体は指数が100を下回り、老年人口が少なくなる。
 さらに、その内訳をみると、指数が200以上の自治体は4.5%、指数が150〜200の自治体は20.1%となり、2005年に比べて老年人口が5割以上増加する自治体はほぼ4分の1となる。


(4)2035年には、2005年に比べて75歳以上人口が2倍以上になる自治体はほぼ4分の1に達する。

 2035年の75歳以上人口を、2005年を100としたときの指数でみると、指数が100を超える、すなわち2005年より75歳以上人口が多い自治体は91.6%であり、残る8.4%の自治体は指数が100を下回り、75歳以上人口が少なくなる。
 さらに、その内訳をみると、指数が200以上の自治体は24.5%、指数が150〜200の自治体は25.8%となり、2005年に比べて75歳以上人口が2倍以上増加する自治体はほぼ4分の1に達する。




3.年齢別人口割合の推移


(1)2035年には、年少人口割合10%未満の自治体が3分の2を超える。

 全国推計(出生中位・死亡中位推計)によれば、総人口に占める年少人口の割合は、2005年の13.8%から2035年には9.5%に低下する。市区町村別にみても、99.7%の自治体で年少人口割合は低下し、年少人口割合10%未満の自治体は、この間に4.8%から68.6%へ著しく増加する。


(2)2035年には、生産年齢人口割合50%未満の自治体が3分の1を超える。

 全国推計(出生中位・死亡中位推計)によれば、総人口に占める生産年齢人口の割合は、2005年の66.1%から2035年には56.8%に低下する。市区町村別にみても、99.8%の自治体で生産年齢人口割合は低下し、生産年齢人口割合50%未満の自治体は、この間に3.8%から36.5%へ著しく増加する。


(3)2035年には、老年人口割合40%以上の自治体が4割を超える。

 全国推計(出生中位・死亡中位推計)によれば、総人口に占める老年人口の割合は、2005年の20.2%から2035年には33.7%に上昇する。市区町村別にみても、99.9%の自治体で老年人口割合は上昇し、老年人口割合40%以上の自治体は、この間に2.8%から41.7%へ著しく増加する。


(4)2035年には、75歳以上人口割合25%以上の自治体が5割を超える。

 全国推計(出生中位・死亡中位推計)によれば、総人口に占める75歳以上人口の割合は、2005年の9.1%から2035年には20.2%に上昇する。市区町村別にみても、99.9%の自治体で75歳以上人口割合は上昇し、75歳以上人口割合25%以上の自治体は、この間に1.1%から50.1%へ著しく増加する。



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